肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM:pulmonary tumor thrombotic microangiopathy)
- 血行性転移の一種で、腫瘍細胞が肺の小動脈や微小動脈に塞栓を形成し、それに伴う血栓形成や組織化が進行し、急激な肺高血圧症を引き起こす状態。
- 臨床的に肺血栓塞栓症と診断されやすいが(肺動脈に血栓が形成されることもあるため、完全に誤診とは言えない)、多くの場合、予後は不良。
- 診断は、肺生検による組織学的確認が一般的。
- 原発としては、低分化型腺癌が多く、特に胃癌が多い。他、肝細胞癌、乳癌、腎細胞癌、前立腺癌、絨毛膜癌など。
- 進行性の息切れが主症状となる。
- PPTMと似た症状や病態を呈する状態として、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)がある。血管内リンパ腫や、まれですが肺静脈閉塞性疾患(PVOD)も似た特徴を示すことがある。
肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)の原発として最も多いものを一つ選べ。
- 腎細胞癌
- 肺癌
- 胃癌
正解!
不正解...
正解は胃癌です。
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PTTMのCT画像所見
- CTで異常を認めないことが多いが、肺動脈の拡張や右室の拡大による右心負荷の兆候を認めることがある。
- 右心負荷があれば、ダイナミックCTで肺動脈血栓塞栓症の除外を行う。可能であれば、dual energy CTでlung PBVを作成し、肺野のヨード分布を調べることで、肺の末梢部に散在する灌流不全領域を特定し、PPTMの可能性を検討する。
- 肺血流シンチグラフィーで両肺に小区域の灌流欠損を認めることがある。
参考文献:
- 画像診断 Vol.43 No.13 2023 P1253
- radiopedia
原発としては、低分化型腺癌が多く、特に胃癌が多い