先に結論:Poland症候群
- Poland症候群は片側の大胸筋(胸肋部)の欠損・低形成と、同じ側の手の指の異常(合指症・短指症)を特徴とする先天異常です
- 乳房・乳頭の低形成、肋骨の形成不全を伴うことがあり、CTで左右の胸壁の筋肉を比べると分かります
- 健診の胸部X線で片側の透過性が高く(黒く)見えることがあり、肺の病気と間違えないことが大切です
- 男性・右側に多く、多くは遺伝しない散発例です
Poland症候群(Poland’s syndrome)/ポーランド症候群
- 片側の胸壁筋の欠損あるいは低形成と、同側の合指症または短指症などの四肢の異常を特徴とする先天奇形。
- 胸郭、骨、乳房、腎臓の奇形を伴うことがある。
- 上肢(手)の奇形を伴わない軽症例もある。頻度は報告により出生7,000〜100,000人に1人とされ(Fokin 2002)、原因としては鎖骨下動脈やその分枝の低形成による説が有力である。胸壁では第2〜4肋骨または第3〜5肋骨の肋軟骨・肋骨の欠損を伴うことがあり、肺ヘルニアを合併することもある。
- 原因は不明だが、胎生期に胸壁や手を形成する組織への血流阻害の結果と推定されている。
ポーランド症候群の特徴と画像検査
- 男女比は3:1、右:左は1.7:1とされ、多くは散発例だが家族内発生の報告もある(Hashim 2021)。
- 機能的な障害はふつう軽く、手術は主に見た目の改善が目的となる(Hashim 2021)。
- 胸部X線では患側の肺野が黒く(透過性亢進)見え、CT・MRIで筋肉と骨の欠損の範囲を評価する(Hashim 2021)。
症例 40歳代男性

引用:Radiopaedia
右大胸筋と小胸筋を認めず、胸骨の右側が歪んでいます。
また、右肋骨3番と4番の前弓の形成不全を認めています。
これらにより右胸郭の歪みを認めています。
Poland症候群を疑う所見です。
胸の形の左右差など気になる症状があれば、医療機関で相談してください。
あわせて読みたい:胸部レントゲンで片側の肺が黒い(一側性透過性亢進)
参考文献:臨床画像 Vol.37 No.4増刊号 2021 P63
- Fokin AA, Robicsek F. Poland’s syndrome revisited. Ann Thorac Surg. 2002;74(6):2218-25. PubMed
- Urschel HC. Poland syndrome. Semin Thorac Cardiovasc Surg. 2009;21(1):89-94. PubMed
- Hashim EAA, Quek BH, Chandran S. A narrative review of Poland’s syndrome: theories of its genesis, evolution and its diagnosis and treatment. Transl Pediatr. 2021;10(4):1008-1019. PubMed
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