先に結論:ファベラ(腓腹筋頭種子骨)
- ファベラは腓腹筋外側頭の腱の中にある小さな種子骨で、膝のX線・CTで大腿骨外側顆の後ろの小さな骨として見えます
- 多くは正常変異で臨床的意義はありませんが、まれに骨折・炎症・腓骨神経の障害や、膝の後外側の痛み(ファベラ症候群)の原因になります
- 関節ねずみや骨折の骨片と間違えないことが大切で、辺縁がなめらかで皮質がある・典型的な位置であることを確認します
腓腹筋頭種子骨(fabella、ファベラ)とは?
- 種子骨(sesamoid bone)の一つ。(種子骨は腱などが摩擦を受けやすい場所に生じ、摩擦や衝撃を和らげる役割がある。(人体で最大の種子骨は膝蓋骨である))
- 腓腹筋頭種子骨は腓腹筋外側頭に存在し、膝のレントゲンやCTで大腿骨外側顆の後方に石灰化結節として認められる。
頻度は高く、メタ解析では解剖で骨化したファベラが平均36.8%の膝に見られ、地域ではアジアで最も多いとされる。約73%は両側性で、この100年で頻度が約3.5倍に増えたことも報告されている。 - 12歳頃から骨化しうる一方、高齢になってから骨化することもあり、高齢者ほど頻度が高い。
- 骨化していない軟骨性のファベラはX線に写らない。屍体50膝の検討では、解剖では40%の膝にファベラが見つかったが、同じ膝のX線で確認できたのは12%であった(Bauman 2024)。
- 一般的に臨床的意義は低いが、腓腹筋頭種子骨の骨折や壊死、骨軟骨炎、また腓骨神経障害などが報告されている。
- ファベラが原因で膝の後外側に痛みが出る状態をファベラ症候群と呼ぶ。まれで症状も特徴に乏しく、見逃されやすいとされる(Lai 2025)。
- ファベラから腓骨頭へ向かうファベラ腓骨靱帯は膝の後外側を支える靱帯の一つで、ファベラがない膝にもしばしばあるため腓腹筋腓骨靱帯という呼び名も提案されている(Pękala 2020)。
- 関節ネズミや骨折により生じた骨片などと誤認しないように注意。
症例 60歳代女性 右脛骨高原骨折症例

腓腹筋外側頭に石灰化を認めており、腓腹筋頭種子骨(fabella、ファベラ)を疑う所見です。
Q. ファベラとフィブラは同じものですか?
A. 違います。フィブラ(fibula)は下腿の外側の長い骨「腓骨」で、ファベラ(fabella)は膝の裏の腱の中にある小さな種子骨です。膝の裏の外側の痛みが続く場合は整形外科で相談してください。
関連ページ:膝関節MRIの矢状断像の正常解剖
参考文献:
- 画像診断に絶対強くなるツボをおさえる!P120-1
- 必ず診療に役立つ スポーツ障害の画像診断 P206
- Berthaume MA, Bull AMJ. Human biological variation in sesamoid bone prevalence: the curious case of the fabella. J Anat. 2020;236(2):228-242. PubMed
- Berthaume MA, Di Federico E, Bull AMJ. Fabella prevalence rate increases over 150 years, and rates of other sesamoid bones remain constant: a systematic review. J Anat. 2019;235(1):67-79. PubMed
- Bauman JM, Alzahabi OA. X-ray Imaging Versus Anatomical Dissection for Identification of the Fabella. Cureus. 2024;16(6):e62186. PubMed
- Lai G, Zhuang Z, Yuan G, et al. All-arthroscopic resection of fabella syndrome following total knee arthroplasty: a case report and literature review. BMC Musculoskelet Disord. 2025;26(1):162. PubMed
- Pękala PA, Mann MR, Pękala JR, et al. The gastrocnemiofibular ligament: A new, more anatomically accurate name for the fabellofibular ligament-An original magnetic resonance imaging study and meta-analysis. Clin Anat. 2020;33(3):419-427. PubMed
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