先に結論:中手骨骨折(ボクサー骨折)
- 中手骨骨折は頸部に最も多く、次いで骨幹部です
- 壁や人を殴って起こる第5(・第4)中手骨頸部骨折が最も多く、一般にボクサー骨折と呼ばれます
- 関節外の骨折で転位や回旋変形が少なければ保存治療ですが、指を曲げたときに指が重なる(回旋変形)場合は手術を考えます
中手骨骨折
- 中手骨は解剖学的に頭部、頚部、骨幹部、基部と分類される。
- 骨折は頚部に最も多く、次いで骨幹部。中手骨骨折は手の骨折全体の18〜44%を占め、母指以外の中手骨が約88%で、第5中手骨が最も多い。大部分は単独・閉鎖性の安定型骨折で、保存的に治療されることが多い(Kollitz 2014)。
- 頚部骨折は第4,5中手骨に多く、壁や人を殴るなどを原因として生じることが多いためファイター骨折と呼ばれる。
- 一般にボクサー骨折と言えば第5(4)中手骨頚部骨折を指すことが多い。握りこぶしへの直接の外力で起こる(Hussain 2020)。
- 頚部骨折も骨幹部骨折もともに関節外骨折のため、転位が少なければ保存加療となる。開放骨折、強い角状変形、回旋変形、関節内への骨折線の進展は手術を考える目安とされる(Hussain 2020)。
第2〜第5中手骨で骨折しやすい部位
スウェーデンの骨折登録18,802骨折の解析では、骨折しやすい部位が指ごとに違いました(Deuschl 2025)。
| 中手骨 | 多い部位 |
|---|---|
| 第2・第5中手骨 | 遠位(頸部など) |
| 第3・第4中手骨 | 骨幹部 |
男性が70%を占め、男性では第5中手骨遠位の関節外骨折、女性では第5中手骨骨幹部骨折が最も多い結果でした(Deuschl 2025)。X線では正面像に加えて斜位像・側面像で、頸部の掌側への曲がり(角状変形)を確認します。手の甲の腫れや痛みが続くときは整形外科を受診してください。

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参考文献:
- 黒田 拓馬. 中手骨骨折. 臨床整形外科 56(5):501-503, 2021(本記事の参照: P501-502)
- 骨折ハンター P194
- Kollitz KM, Hammert WC, Vedder NB, et al. Metacarpal fractures: treatment and complications. Hand (N Y). 2014;9(1):16-23. PubMed
- Stash N, Kamal RN, Richard M, et al. Metacarpal Fractures: An Evidence-Based Review to Guide Treatment. J Am Acad Orthop Surg. 2025;33(24):1361-1371. PubMed
- Deuschl J, Alfort H, Wilcke M. The Epidemiology of Metacarpal Fractures: A Descriptive Study Based on 18,802 Fractures From the Swedish Fracture Register. J Hand Surg Glob Online. 2025;7(4):100725. PubMed
- Hussain MH, Ghaffar A, Choudry Q, et al. Management of Fifth Metacarpal Neck Fracture (Boxer’s Fracture): A Literature Review. Cureus. 2020;12(7):e9442. PubMed
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