篩骨紙様板偏倚(紙様板の欠損)(orbital plate deviation)
- 眼窩内側壁である、紙様板の骨壁欠損(あるいは内側偏倚)を認めることがある。
- 頭部CTで時に偶発的所見として認められる。
- 剖検例の5-10%に見られる。
- 複視や眼球陥凹などの症状がない例もしばしば見られ、(特に陳旧性)骨折に対する本人の自覚なしに、偶発的所見としてみられる場合も少なくない。陳旧性眼窩吹き抜け骨折とも呼ばれることがある。
- 但し非外傷例で6.5%に認めるという報告もある。
- 内視鏡下鼻副鼻腔手術術前患者では読影の際に記載する必要がある。
症例 70歳代男性 スクリーニング
左眼窩内側壁は篩骨洞に突出していています。
篩骨紙様板偏倚の所見です。
外眼筋はほぼ偏位を認めておらず、無症状の方です。
症例 90歳代女性 スクリーニング
右眼窩内側壁は篩骨洞に突出していています。
篩骨紙様板偏倚の所見です。
外眼筋はほぼ偏位を認めておらず、無症状の方です。
参考:
- 画像診断 Vol.37 No.13 2017 P1332
- 画像診断 Vol.41 No.11 増刊号 2021 P54