尿路の結石は大きく、腎結石、尿管結石、膀胱結石に分けられます。
このうち急性腹症を来すことがあるのは通常尿管結石ですね。
今回は、膀胱結石(bladder calculus)についてまとめました。
膀胱結石(bladder calculus)
- 膀胱結石には、膀胱に原発した結石と、尿管から膀胱へ落石した結石がある。
- ほとんどは原発性で神経因性膀胱、排尿障害や膀胱憩室などに合併する。カテーテルの長期留置でも見られる。
- 上部尿路から落石したものはほとんど自然排尿し、膀胱内に留まることは少ないため。
- ただし前立腺肥大など尿道の通過障害がある場合は膀胱に留まることがある。
- 長期臥床、脱水なども結石発生を助長する。
- 形状はさまざまで、層状構造を呈することも多い。
症例 70歳代男性
膀胱内に2箇所高吸収域を認めています。
膀胱結石を疑う所見です。
症例 70歳代男性
膀胱憩室を複数認めており、膀胱内に広範な高吸収を認めており、膀胱内結石が疑われます。
参考文献
- 腹部のCT 第3版 P540