脊椎は
- 7頸椎
- 12胸椎
- 5腰椎
からなりますが、変異もあります。
椎体が何番目なのかを誤ると手術の際などで別の椎体を手術してしまうというミスに繋がることがあります。
そこで、椎体が何番目なのか数え方をまとめました。
脊椎の椎体の数え方の基本
基本は、軸椎(C2)から下へと数えていきます。
ただし、腰椎などでは、C2が撮影されません。
そこで、椎体特有の目印を把握しておく必要があります。
有名なものでは、胸椎は肋骨と繋がっていますので、Th12には肋骨があり、L1には肋骨がないことから、Th12,L1の場所を把握するものがあります。
しかし、下位肋骨は低形成を起こすことがあるため、その点には注意が必要です。
その他の椎体特有の目印としては
- 後結節(posterior tubercle):Th12に特徴的な所見。
- 腸腰靱帯(iliolumbar ligament):L5に特徴的な所見。L5と腸骨稜を結ぶ。
があります。
移行椎とは?
移行椎は、椎体の発達過程における正常変異であり、
- 胸腰椎
- 腰仙椎
の移行部に起こります。
とくに腰仙椎移行椎の頻度が多く、最下位腰椎横突起と第1仙椎が関節形成あるいは癒合をきたしたものであり、
- 第5腰椎が仙骨化したもの→仙骨化腰椎(sacralization)→腰椎が4つに見える。これがとくに多い!!!
- 第1仙骨が腰椎化したもの→腰椎化仙椎(lumbarization)→腰椎が6つに見える。
に分けられます。
腰仙椎移行椎の所見としては、
- 外側塊の部分的仙骨化
- 椎間板低形成
の2つが特徴的であり、移行椎の場合は、腰仙椎移行部でしばしば椎間板の膨隆や脱出を起こし、脊柱管狭窄や神経根症状を認めます。
腰仙椎移行椎の分類
- Castellvi分類が有名。
症例 20歳代男性 背部痛
引用:radiopedia
最下位腰椎(L5)の左横突起が仙骨と不完全に癒合しています。
(L5の片側の仙骨化に伴う、L5の左横突起と仙骨の偽関節を形成している。)
腰仙骨移行椎骨の Castellvi 分類IIa 型に相当します。
Bertolotti症候群
また、この移行椎に疼痛や圧痛、背屈制限など症状を伴うものをBertolotti症候群と言います。
仙骨化腰椎および症状が実際にあり、Bertolotti症候群と診断された症例。