先に結論:尿管瘤
- 尿管瘤は尿管の膀胱への出口が袋状に膨らんだもので、膀胱内にとどまる単純性と、膀胱頸部・尿道へ及ぶ異所性(多くは重複尿管の上半腎に伴う)があります
- 排泄性尿路造影では膀胱内のコブラの頭のような形(cobra head sign)が典型で、超音波では膀胱内の薄い壁の嚢胞として見えます
- 水腎症・尿路感染・結石・排尿障害の原因になり、小児では重複腎盂尿管と上半腎の水腎症を一緒に確認します
尿管瘤(ureterocele)
- 膀胱粘膜と筋層の間の嚢状拡張した尿管(尿管の下端が風船のように膀胱内に膨らむ)のこと。
- 発生の過程でChwalle膜が破れるのが遅れることにより生じると考えられている。
- 以下のように分類される。
・異所性:女児に多い。小児に多い。8割を占める。
・単純性:成人に多い。小児の場合男児に多い。 - 異所性尿管瘤が8割。ほとんどで重複腎盂尿管を伴っている。
- 異所性の場合、2歳までに尿路感染、血尿で発症することが多い。女児の場合、尿失禁が診断の契機となることがある。
- 単純性の場合、症状に乏しい。発見されるきっかけとなる症状は、尿路感染症、腎・尿管瘤内結石、腎機能障害、腹部腫瘤、排尿障害など。
- 治療は、片側の腎尿管摘出術を行うことがある。
尿管瘤の画像所見
- 単純性の場合、膀胱内に突出する瘤あり、排泄性造影早期でコブラの頭状(cobra head appearance)に見える。
- 超音波では膀胱の中の薄い壁の嚢胞として見え、膀胱の中にもう1つ嚢胞があるような「cyst within cyst」所見を示します(Ilyas 2018)。
成人の尿管瘤
- 多くは単純性で、健診の超音波や別の目的のCTで偶然見つかることもあります。尿がよどむため、結石や尿路感染の原因になります。
症例 40歳代男性 血尿・頻尿

引用:Radiopaedia(Intravesical ureterocele)
排泄性尿路造影(造影剤注射から1時間後)の正面像です。造影剤で白く染まった膀胱の中で、左の尿管の出口(左の尿管膀胱移行部)に、薄い透亮帯(黒い縁取り)で囲まれた丸い構造が見られます。膀胱の中に袋状に膨らんだ尿管の末端で、コブラの頭のような形(cobra head sign)を示す膀胱内(単純性)尿管瘤です。
尿管瘤でよくある疑問(Q&A)
Q. 尿管瘤とはどんな病気ですか?
A. 尿管が膀胱につながる出口が狭く、尿管の先端が風船のように膀胱の中へ膨らむ、生まれつきの形の異常です。
血尿・頻尿・排尿時の痛みなど気になる症状があれば、医療機関で相談してください。
参考文献
- Berrocal T, López-Pereira P, Arjonilla A, et al. Anomalies of the distal ureter, bladder, and urethra in children: embryologic, radiologic, and pathologic features. Radiographics. 2002;22(5):1139-64. PubMed
- Shokeir AA, Nijman RJ. Ureterocele: an ongoing challenge in infancy and childhood. BJU Int. 2002;90(8):777-83. PubMed
- Ilyas M, Sheikh WA, Dar MA, et al. The “cyst within cyst” sign of intravesical ureterocele. Abdom Radiol (NY). 2018;43(12):3515. PubMed
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