心臓腫瘍
- 原発性心臓腫瘍は稀。剖検例の0.2%以下。良性が7割。
- 原発性良性心臓腫瘍は粘液腫が最多で30%、続いて脂肪腫、乳頭状線維弾性腫と続く。
- 悪性では、血管肉腫、横紋筋肉腫、線維肉腫と続く。
心臓粘液腫(Cardiac myxoma)
- 成人の心臓原発腫瘍で最多。
- 左房発生が3-6割、特に中隔から発生することが多い。心室内は非常にまれ。
- やや女性に多い。30-60歳代に多い。
- 通常単発で見られるが、多発して若年者の場合はCarney複合(Carney complex)が背景にある場合あり。この場合、皮膚や乳房にも粘液腫を生じることあり。
※Carney複合=肺過誤腫、副腎外傍神経節腫、胃間葉性腫瘍を特徴とする。
- 有茎性で可動性のことが多い。
- 80%に症状がみられ、心腔閉塞症状、塞栓症状、発熱、関節痛など非特的な症状。
心臓粘液腫の画像所見
- ムコ多糖類の器質を反映して単純CTでもやや低吸収を呈することが多い。出血に伴う石灰化が見られることがある。
- 心房中隔に有茎性に付着しているのが特徴。
- 通常の造影CTでは辺縁がぼやける。腫瘍自体の造影効果は弱い。
- MRIでは粘液基質を反映してT2WIにて高信号を呈するのが特徴。
- 心電図同期での撮像で、有茎性や可動性の評価も可能。
- 治療は症状がある場合や塞栓症がある場合は外科的切除が第一。治療後も10-15%で再発あり。