甲状腺中毒症(thyrotoxicosis)
- 甲状腺ホルモンが増加している状態を甲状腺中毒症という。
- 甲状腺機能亢進症、破壊性甲状腺炎、外因性甲状腺ホルモン過剰摂取などで起こる。
- 日常臨床で最も問題になる、Basedow病と無痛性甲状腺炎の鑑別は123Iの摂取率によって可能。(前者は高値となり後者は基準値以下となる。)
甲状腺機能亢進症
- Basedow病、Plummer病、その他の稀な甲状腺機能亢進症(卵巣甲状腺腫、機能性甲状腺癌など)、中枢性甲状腺機能亢進症などが原因となる。
- Basedow病は甲状腺のびまん性過形成による機能亢進症。TSHレセプター抗体が甲状腺を刺激し、TSHに依存せずに甲状腺ホルモンが合成される。
- ただし、TSHレセプター抗体は陰性のこともある。また無痛性甲状腺炎で陽性の場合もある。なので両者の鑑別に123Iの摂取率が有用。
症例 30歳代女性 Basedow病
甲状腺両葉にびまん性に集積亢進あり。
Basedow病を疑う所見。
破壊性甲状腺炎
- 無痛性甲状腺炎、出産後甲状腺炎、亜急性甲状腺炎が含まれる。
- 甲状腺濾胞が破壊され甲状腺ホルモンが漏出する結果、甲状腺中毒症になる。
- 甲状腺濾胞の破壊部位には123Iを取り込まず、また、TSH分泌抑制により、正常部位にも123Iは集積せず、摂取率は低値となる。
症例 60歳代女性 無痛性甲状腺炎
甲状腺中毒症あるも集積の低下あり。
無痛性甲状腺炎と診断されました。
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