メッケル憩室 (Meckel diverticulum)とは?

  • 卵黄腸管の遺残で、一部が閉塞せずに腸間膜付着部の反対側に発生した真性憩室
  • 最も頻度が高い腸管奇形。
  • 頻度は1-2%。
  • 男性に多く2歳以下が半数以上。
  • 回盲部から50~100cmまでの口側に存在し、その大きさは数〜5cm
  • 23-50%に異所性胃粘膜の混在を認める。
  • 大部分は無症状だが、4-40%が合併症を契機に発見される。
  • 腸閉塞・腸重積、出血、憩室炎、穿孔、ヘルニア、悪性腫瘍などにより発症する。
  • 稀にメッケル憩室自体がヘルニアを起こすことがあり、Littre’sヘルニアという。50%は鼠径ヘルニア、残り25%ずつが大腿ヘルニア、臍ヘルニアである。
  • 小児は出血成人例では腸閉塞が多い。
  • メッケル憩室の6割程度に異所性粘膜を認める。胃粘膜が6割と最多、続いて膵粘膜、両方など数%程度。
  • 出血が起こる原因は、憩室内の異所性胃粘膜からの胃酸により隣接する腸粘膜に潰瘍を形成するため。
  • 診断には異所性胃粘膜を検出する99mTcO4を用いたシンチが有用。特に小児においては感度85%、特異度95%と高い正診率を有する。
  • 腸閉塞を起こす機序は5つに分類(Rutherford分類)される。
    1,卵黄腸管遺残による索状物を軸として起こる捻転、
    2,憩室を先進部とした腸重積、
    3,mesodiverticular bandによる絞扼、
    4, ヘルニア嚢内への憩室の嵌頓、
    5, 軸捻転による穿孔など。
  • メッケル憩室が翻転(inverted Meckel diverticulum)し、腸重積を合併することあり(上記の5分類の2に相当)。その場合、腸管内に脂肪の塊を認め、脂肪腫との鑑別が問題となるが、メッケル憩室の翻転の場合、脂肪の周囲に均一な厚い腸管壁が覆うが、脂肪腫の場合はこれが存在しない。脂肪腫の場合は、内視鏡的切除が可能だが、メッケル憩室の翻転の場合は外科的治療が必要となるので、鑑別は重要。
症例 40歳代女性 腹痛(メッケル憩室による絞扼)

meckel'sdiverticula

腹部造影CTです。

小腸イレウスを認めています。

横断像で壁の造影効果の乏しい管腔を認めています。

その管腔は小腸に圧排しており、同部にてcaliber changeを認めています。

手術の結果、メッケル憩室が腹壁と癒着することで索状構造を形成し、肛門側の腸管を圧排していたことによる絞扼性腸閉塞と診断されました。

参考症例 40歳代男性 回盲部脂肪腫

lipoma

回盲部に脂肪腫あり。

メッケル憩室の翻転による重積ではないので注意が必要です

参考)すぐ役立つ救急のCT、MRI 画像診断別冊 P190-191

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