頭部CT、MRIにおける脳の中心溝の同定方法のポイントについてまとめました。
実際にスマホやタブレットでスクロールしていただける画像も作成しましたので是非試してみてください。
→中心溝、中心前溝、中心後溝、中心前回、中心後回のMRI画像における解剖を連続画像で確認する。
頭部CT、MRIにおける中心溝、中心前溝、中心後溝、中心前回、中心後回の解剖
まず中心溝の解剖は頭頂部から見ていくと次のようになる。

中心溝より前の脳回が中心前回、後ろが中心後回ですので、中心前回、中心後回に色をつけると以下のようになります。

では次にどうやって中心溝を同定するのかについていくつかの方法を見ていきましょう。
頭部CTやMRI画像で中心溝を同定する際のポイント
中心溝を同定する際には、以下の4つの原則があります。
- 中心前溝は上前頭溝と、中心後溝は頭頂間溝と、連続するが、中心溝が連続する脳溝はない。
- 中心後溝の内側端はY字型になり、帯状溝縁部(ちょび髭)は分岐に挟まれる。中心溝の内側端は帯状溝縁部(ちょび髭)のすぐ前にくる。
- 脳回の前後幅は中心前回が後回より太い。
- 中心前回の手指運動野は後方凸を示す(precentralknob sign)
これらを一つ一つ確認していきましょう。

上のように中心前溝は上前頭溝と、中心後溝は頭頂間溝と、連続しますが、中心溝だけは連続する脳溝がありません。
追っていって他の溝と交差しないのが中心溝です。

中心後溝の内側端はY字型になり、帯状溝縁部(ちょび髭のような形)は分岐に挟まれます。
中心溝の内側端は帯状溝縁部(ちょび髭のような形)のすぐ前に来ます。
ですので、帯状溝縁部(ちょび髭のような形)を同定すれば中心溝を同定できます。
(※ただしちょび髭のように見えないこともあるので注意してください(^0^;))

脳回の前後幅は中心前回が後回より太いという原則があります。
ですので、太い中心前回と細い中心後回の間が中心溝ということになります。

中心前回の手指運動野は後方凸を示し、precentralknob sign(中心前回ノブサイン)と呼ばれます。
このprecentral knobは手指運動野(hand mortor area)が存在し、同部位単独の梗塞は上肢遠位の単独麻痺をきたすので注意が必要です。
これらを組み合わせて中心溝を同定するようにしてください。
ご案内
腹部画像診断を学べる無料コンテンツ
4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ
1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。
画像診断LINE公式アカウント
画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。

初期研修医で放射線科を考えています。いつも大変お世話になっています。
頭の横断像をぱっと出されたときにそれがどこまでが側頭葉とか前頭葉というのがすぐにわかりません。本ページにあるような中心溝などの境界をすべて覚えるしかないのでしょうか?
コメントありがとうございます。
おっしゃるように解剖学的ランドマーク(中心溝やシルビウス裂など)を使って判断するしかないのが実情です。