孔脳症(porencephalia(porencephaly))
・脳実質内の空洞または嚢胞であり、大脳半球内に脳室との交通を有する。
・虚血、出血や手術、感染症(ヘルペス、サイトメガロウイルスなど)などにより後天的に脳室と交通ができたものであり、周囲に異常灰白質は認められない。
・一方で、周囲に皮質形成異常を伴う場合は、裂脳症。(さらに裂隙が髄液腔と連続しているかないかで、open-lip typeとclosed-lip typeに分けられる。)こちらは、神経細胞遊走異常。
・脳脊髄液の拍動が伝わる結果、経時的にサイズが増大することあり。
・片麻痺の原因となる。
症例 80歳代男性
右側脳室前角と連続性を有している嚢胞性病変あり。MR(非掲載)と合わせて、孔脳症と診断した。
脳室と連続性のある脳表のくも膜下腔を見たら
・裂脳症(shizencephaly)
・孔脳症(porencephaly):なんらかの原因により脳実質が破壊。
を鑑別にあげる。
新生児の頭蓋正中部の嚢胞性腫瘤の鑑別
・くも膜嚢胞
・一次性半球間嚢胞
・頭蓋咽頭腫
・孔脳症
・水頭症