肝芽腫(hepatoblastoma)
・小児悪性腫瘍の2.5%。
・小児肝悪性腫瘍で最多でその頻度は8割。次に肝細胞癌。
・小児腹部腫瘤としては、神経芽腫、腎芽腫に次いで3番目に多い。
・肝細胞から発生する。発生機序は不明。βカテニン遺伝子の変異が多く報告されている。
・3歳以下の男児に多い。特に0歳に多い。特に未熟児(超低出生体重児)での発生頻度が高い。
・表面不整な腹部腫瘤で発見される。
・血清AFP異常高値。LDH、コレステロールも上昇する。
※ただし生後10ヶ月以内ではAFPは生理的高値を示すため判定には注意が必要。
・肝機能障害は少ない。
・合併症として、Beckwith-Wiedemann症候群、家族性大腸腺腫性ポリポーシス(FAP)がある。
・血行性に肺に単発性転移をきたす。
・病期分類では、PRETEXT分類が用いられる。(PRETEXT=Pre-Treatment Extent of Disease)
・エコーで高エコーで内部不均一。
・CT、MRIでは成人のHCCに類似、内部に壊死を伴う。
・石灰化は40-50%。
・治療は手術による完全摘除が原則。TAEを行うこともある。
・使用される主な化学療法は、5FU、adriamycin、cisplatin(CDDP)。
・一般に予後不良であったが、近年は予後が改善されている。