猫ひっかき病
- 小児に罹患が多い。
- グラム陰性桿菌であるBartonella henselae感染症。
- 猫と接触後1−2週(3−10日)程度で発疹、発熱、2-10週程度で受傷部のリンパ路に痛みを伴うリンパ節腫大を来す。
- ネコひっかき病に対する抗原反応や感染検体のWarthin Starry染色により診断される。
- 肘部、腋窩、頭頸部(主に顎下、オトガイ下部)に認められる。
- 通常2−3ヶ月以内に自然治癒することが多い。
- 脳症や、肝・脾膿瘍(肉芽腫)、心内膜炎、骨髄炎などを合併することもある。
- 治療薬はテトラサイクリンまたはマクロライド系。
- 参考)咬傷では猫は感染率が高い。猫(40%)>犬(5%)>ネズミ(2%)。なので、犬咬傷は抗生剤投与は必要ないが、猫の場合は全例投与した方がよい。
画像診断
- 受傷部のリンパ路に内部低吸収なリンパ節腫大を来す。受傷側の腋窩や頸部リンパ節腫大を来す。
- 腫大リンパ節周囲に脂肪織濃度上昇を認め、瘻孔を伴うことあり。
- 大きな腫瘤を形成した場合は、壁の厚い嚢胞状腫瘤となる。
症例 50歳代女性
左腋窩にリンパ節腫大あり。
周囲脂肪織濃度上昇あり。内部壊死ははっきりしません。
ネコひっかき病と診断されました。
亜急性、慢性に経過する片側リンパ節腫大
- 結核性リンパ節炎
- 猫ひっかき病
- トキソプラズマ症
- 亜急性壊死性リンパ節炎
頸部リンパ節腫大の鑑別
- 結核性リンパ炎
- 亜急性壊死性リンパ節炎(菊地病、放線菌症、猫ひっかき病、化膿性リンパ節炎、Kaposi肉腫など)
参考文献:画像診断 Vol.38 no.12 2018 P1165-1166
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