ChiariⅠ型奇形
・小脳扁桃が大後頭孔を超えて脊柱管内への下垂と定義される。
正常範囲 大後頭孔より
〜10歳 6mm以内、
10~30歳 5mm以内、
それ以降 4mm以内。
・通常は、小脳虫部や脳幹・第4脳室の変形は伴わない単独奇形であることが多い。
・脊髄空洞症(20-73%)、水頭症、頭蓋頸椎骨移行部の異常を伴うことあり。
・約半数は無症状で見つかる。
・成人になって発症することが多い。
・症状は、後頭部痛、下位脳神経症状、小脳失調、脊髄空洞症に伴う中心性脊髄障害など。
・Chiari奇形は大きく3つ(Ⅰ~Ⅲ型)に分類されるが、Ⅰ型は頭蓋脊椎移行部の骨形成不全に伴う変化、Ⅱ、Ⅲ型は神経管閉鎖障害による先天性脳奇形である。
Ⅰ型 | Ⅱ型 | |
脊椎管内へ陥入 | 小脳扁桃 | 延髄、第4脳室、小脳虫部 |
発症年齢 | 成人 | 乳幼児 |
症状 | 非特異的 | 喉頭喘鳴、無呼吸発作 |
水頭症 | あり | ほぼあり |
脊髄髄膜瘤 | ± | ほぼあり |
脊髄空洞症 | ほぼあり | あり |
ChiariⅠ型奇形の画像診断
・矢状断で、小脳扁桃は下垂し、丸みが失われくちばし状の尖った形になるのが特徴。
・小脳扁桃の下垂は5mm以内は問題ないことが多いが、5mm以上は異常。特に、12mm以上ではほぼ全例で有症状となる。