外傷性くも膜下出血(traumatic subarachnoid hemorrhage)
- 外傷→脳表の血管損傷→くも膜下腔に広がる出血。
- くも膜下出血単独で見られることもあるが、脳挫傷、硬膜下血腫、びまん性軸索損傷、橋・延髄部横断損傷などを伴うことがある。
- 脳挫傷に伴い出血がくも膜下腔にまでしみ出してきてくも膜下出血として見られる場合もある。
- 脳表の架橋静脈の破綻によるくも膜下出血単独の場合は予後良好なことが多い。
- つまり、予後は脳挫傷を合併するか否かによる。
外傷性くも膜下出血の画像診断は?
- 受傷部位(coup injury)あるいは、その反対部位(contrecoup injury)やその近傍に出血が認められる。
- 少量の場合、単純CTで脳溝内に線状の高吸収として認められる。
- 脳挫傷や、硬膜下血腫など、他の外傷性病変の合併がしばしば見られる。
- CTでわかりにくい場合や、外傷から時間が経っている場合は、MRIのFLAIRが有用。
- 動脈瘤破裂の好発部位とは異なった分布をするのが特徴。
- ただし、外傷が契機となり動脈瘤が破裂することもある。
症例 80歳代男性 転倒
右のシルビウス裂に限局した血腫を認めています。
外傷性くも膜下出血を疑う所見です。
症例 40代男性 前頭部打撲
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症例 30代男性 前頭部打撲
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