目次
心筋シンチグラフィの読影の仕方(支配血管と部位の関係)
・心筋 SPECTと、血管、部位の関係は次のよう。
運動負荷→安静時の血流シンチのみのパターン
症例 70 歳代の女性。最近散歩時の坂道で胸部絞扼感。
2013年放射線科診断専門医試験問題69より引用。
症例 60 歳代の女性。最近,労作時胸痛があり,精査のため来院
外来にて運動負荷心筋血流シンチグラフィーを施行した。
(2008年放射線科診断専門医試験問題69より引用。)
症例 50 歳台の男性。
労作時胸部不快感があるため受診した。運動負荷心筋血流 SPECT を示す。
(2009年放射線科診断専門医試験問題67より引用。)
症例 65 歳の男性。胸痛を訴えて来院。
2005年放射線科診断専門医試験問題63より引用。
症例 60 歳代の男性。2 か月前から階段を上ると絞灼感あり。201Tl 負荷心筋 SPECT
2014年放射線科診断専門医試験問題68,2011年80より引用。
ピロリン酸SPECTの読影
症例 60 歳台の女性。
冷汗,胸部不快感を主訴に来院した。翌日の安静時心筋血流 SPECT とピロリン酸 SPECT を示す。
(2009年放射線科診断専門医試験問題68より引用)
FDG-PETの読影
症例 60 歳代の男性。下壁心筋梗塞部 viability 評価のため安静時201TlCl 心筋 SPECT および糖負荷18F-FDG 心筋 PET を施行した。
2008年放射線科診断専門医試験問題68より引用
BMIPPシンチの読影
症例 50 歳代の男性。安静時に胸痛あり,次第に増強。
2007年放射線科診断専門医試験問題65より引用。
※血行再建成功後も脂肪酸代謝障害は遷延して認められるため、BMIPP シンチは傷害心筋のメモリーイメージング(虚血メモリー)に用いられる。
症例 52 歳の女性。登山にて前胸部不快感。
2005年放射線科診断専門医試験問題64より引用。
冠動脈インターベンション前後のシンチの読影
症例 50 歳代の男性。1 カ月前から労作時に前胸部圧迫感が出現。
冠動脈インターベンションが行われた。治療前後の心筋血流シンチグラム(負荷再分布)を示す。
2007年放射線科診断専門医試験問題66より引用。
症例 60 歳の男性。急性心筋梗塞(下壁)
直ちにステント留置にて再灌流療法が行われた。再灌流療法 2 日後,201Tl を安静時に投与し,10 分後と 4 時間後に心筋血流 SPECT を撮像。
2005年放射線科診断専門医試験問題65より引用。
症例 50 歳の男性。急性心筋梗塞にて、再潅流療法を行った。
2006年放射線科診断専門医試験問題65より引用。
負荷にて前壁中隔〜心尖部にかけて集積低下あり、4時間後像では同部位の集積はより低下しており、ブルズアイ表示でも同部の洗い出し亢進が示されている。これは逆再分布が起こっており、血行再建術に成功した場合に見られる現象。この現象が起こっている領域の術後の機能回復は期待できる。
下壁の集積も低下して見えるが明らかな虚血性変化は認められず、深部減衰に伴う疑陽性所見の可能性が疑われる。
肥大型心筋症のシンチ
症例 胸痛と意識消失発作を主訴に来院。心尖部肥大型心筋症の症例。
201Tl 運動負荷心筋シンチグラム(運動負荷時,4 時間後)
2006年放射線科診断専門医試験問題64より引用。
運動負荷像では、4時間像と比較すると心尖部(肥厚部)の集積が少ない。4時間後像で心尖部に集積亢進を認めており、同部位の相対的な血流低下および虚血が疑われる。心尖部肥大型心筋症を疑う所見。
※肥大部の集積亢進≠心筋灌流増加。非肥大部に比べ相対的に集積が高く見えるため。
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