骨髄線維症
・骨髄に広範なびまん性の線維化が起こり、正常な造血が障害される血液疾患で、造血幹細胞のクローン性の増殖が本態である。
・幹細胞が産生する種々のサイトカインが骨髄間質細胞に作用し、膠原線維の増生と骨硬化を生じ、髄外造血による著明な脾腫や進行性の貧血を来す。
・50歳以上に多い。
・原発性と二次性に分けられる。
・二次性は、造血系腫瘍(白血病や悪性リンパ腫など)、結核などの感染症、膠原病、骨疾患などで見られる。
・10%前後で、急性骨髄性白血病へ移行する。
・他、真性多血症、MCune-Albright症候群の合併あり。
・髄外造血は、脾、肝、リンパ節、胸椎、両側性、分葉状の傍脊椎腫瘤で起こる。
画像所見
・単純X線写真で脊椎にびまん性の骨硬化像が認められ、脾腫を伴っていれば、骨髄線維症が疑われる。
・線維組織で置換され高度の骨硬化を来した骨髄は、T1およびT2強調像でともにびまん性の低信号域として認められる。
・STIR像では高信号を示すこともあるが、線維化が進行すると低信号となる。
・大腿骨頭と大転子における脂肪髄の残存の有無が臨床的な重症度と相関するといわれている。
・椎体周囲や脊椎管内の硬膜外腔に軟部組織が認められる場合は、髄外造血が示唆される。
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▶キー画像
骨濃度上昇の鑑別診断
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