脳梗塞の分類とは?
脳梗塞は血管が詰まるということはよくわかりました。ところで詰まると何がよくないんですか?
血管が詰まると脳に血流(栄養)が届かなくなり、脳組織が虚血に陥り、やがて壊死します。脳組織が死んでしまうということですね。
なるほど。脳が死ぬのは困りますね。ところで、何が詰まるのですか?
そこで考えなくてはならないのが脳梗塞の分類です。脳梗塞の分類は以下のようにされます。
脳梗塞の分類
a.発症機序による分類
①血栓性
②塞栓性
③血行力学的
b.臨床カテゴリーによる分類
①アテローム血栓性
②心原性塞栓
③ラクナ
④その他
なるほど!!って、いやいや。何言ってるんですか?ますます分かりませんけど。
そうですね。実際には、脳梗塞というのは単純なものではなくて、この2つの分類を組み合わせて考える必要があります。が、ここでは、話をわかりやすくするために、重要なところのみ説明します
思いっきり簡略化してください。
わかりました。まず血管詰まる原因は何だと思いますか?
詰まるということは、何かが飛んで来て詰まるんだと思います。
そうですね。まず1つはそれが原因です。主には心臓から血栓が飛んでくるのが原因です。では、次にそもそも詰まりやすい血管ってどんな血管だと思いますか?
うーんと…血管が細かったら詰まりやすいと思います。
では、血管が細くなるのはどんな原因が考えられますか?
うーんと…動脈硬化ですか?
その通りです。動脈硬化がある人は、もともと血管が細いので、血管が詰まりやすいですよね。動脈硬化の原因は色々ありますが、中でも重要なものが高血圧です。
ここまでのまとめです。
【脳梗塞(詰まる)の原因】
- 心臓から血栓が飛んでくる。
- もともと血管が細い。(動脈硬化がある)
そして、心原性塞栓とは心臓から血栓が飛んできて詰まることです。
それはなんとなく分かります。字の通りですもんね。
そうですね。そして、動脈硬化が原因で詰まるのが、アテローム血栓性脳梗塞です。なかでも、凄く細い動脈(穿通動脈)に起こると、ラクナ梗塞と分類されます。
脳梗塞の分類
- 心原性塞栓:心臓から血栓が飛んで脳の血管に詰まる。
- アテローム血栓性:動脈硬化が原因。
- ラクナ梗塞:細い動脈が詰まる。高血圧が原因。
なるほどよくわかりました。ちょっと疑問に思ったのですが、これらを区別する意味ってあるのですか?結局全部脳梗塞で片付けてはいけないのですか?
いいところに気付きましたね。区別するのにも理由があります。実は治療法が変わってくるからです。
治療については、施設などによって変わってきます。
脳卒中治療ガイドラインを参照ください。