付属器腫瘍をみつけたら形態で分類する
・本当に付属器腫瘤なのかを確認した上で、形態的な振り分けをする。
・単房性嚢胞生性腫瘤:良性 ・多房性嚢胞生性腫瘤:良性〜境界悪性〜悪性 ・嚢胞性+充実性腫瘤:悪性 ・充実性腫瘤 :良性〜境界悪性〜悪性 Imaoka,I et al.Radiographics 2006;26:1431
形状は様々
・嚢胞内に充実性成分
・嚢胞外に外反する充実性成分 serous papillary adenocarcinoma
多房性嚢胞性病変
・粘液性嚢胞性腫瘍 ・転移性腫瘍(特に、大腸、虫垂。両側性の場合は特に考慮) ・卵巣甲状腺腫 ・良性・生理的変化(卵巣過剰刺激症候群、iclusion cystなど)
・多房性嚢胞性腫瘤をみたら転移の可能性を常に考え、腸管はいつもチェックする。
・多房の房の数が増えるほど悪性の可能性が高くなる。充実部位がはっきりしなくても。
・多房性嚢胞性腫瘤をみたら、隔壁の数、隔壁の厚さ、壁在結節をチェック。
嚢胞の大きさが5cmを超えるとき
・腫瘍性の可能性あり。
・嚢胞腺腫〜境界悪性腫瘍(漿液性、粘液性(多房性が多い、Brenner腫瘍合併)) ・奇形腫 ・内膜症性嚢胞に合併する腫瘍(明細胞癌、類内膜癌、MMBT) などを考慮。
嚢胞性+充実性腫瘍
・多くの卵巣腫瘍がこれに当てはまる。
・卵巣癌 ・性索間質性腫瘍 ・転移性腫瘍(胃癌、大腸癌、乳癌が多い)
充実部分は信号に注目する。
・T2WIで著明高信号→漿液性境界悪性腫瘍を考慮。
・T2WIで著明低信号→線維性成分、極めて粘稠な液体貯留
■線維性成分
・莢膜線維腫(Fibrothecoma)
・硬化性間質性腫瘍
・Brenner tumor(不思議な事にしばしば粘液性腫瘍と共存)
・Krukenberg tumor
■極めて粘稠な液体成分
・粘液性嚢胞性腺癌