内側半月板のバケツ柄状断裂
- 距離の長い全層の長軸断裂(longitudinal tear)がバケツ柄断裂に進行することがある。
- バケツ柄状断裂は外側半月板よりも内側半月板の発生が圧倒的に多い。
- その場合、前十字靱帯断裂合併が多い。
- 断裂により辺縁部から分離した中央部分(バケツの柄に相当)は顆間窩よりに移行する。ここに大腿骨加重面が入り込むと膝のlockingの原因となる。
- 特徴的な像を示し、サイン名がつけられている。
バケツ柄状断裂を示唆するサイン
absent bow tie sign
- 矢状断像で通常観察される蝶ネクタイ型の半月板(bow tie)が一部または大きく欠如したもの。
double PCL sign
- 半月板のバケツ柄断裂で、顆間部へ変位した断裂片がPCLの下方に存在し、あたかも2本のPCLがあるようにみえる。
fIipped meniscus(反転半月板),double peak
- バケツ柄断裂の一種で、前方へ偏位した断片が既存の前角と重なって見える。矢状断で断裂部分は空虚で、異常に大きな2倍近くの高さをもつ半月板や「2つ並んだpeak」がみられることがある。
- 外側半月板後節後角に多い。
- バケツ柄部分が前方へ大きく偏位する。
double delta sign,double anterior horn sign
- 前方へ偏位した断片が前角と類似して見えるもの
fragment-in-notch sign
- 顆間窩側への断片偏位(これのみ冠状断像で見えるサイン)
参考文献:膝MRI 第3版 P146-161