延髄内側梗塞とは?
- 高齢者>>若年成人に発症する。
- 栄養血管は、椎骨動脈 V4から分岐する延髄傍正中動脈閉塞あるいは脳底動脈。両側性のこともある。
- アテローム硬化性変化(延髄傍正中動脈の分枝粥腫型梗塞)>>椎骨動脈解離で多いとされる。
延髄内側梗塞の症状は?
- 顔面を除く、対側の上肢下肢麻痺がおこる。
さらに細かくは、
- 皮質脊髄路(錐体路)→対側の顔面を除く上下肢麻痺
- 内側毛帯→対側の半身の消化管、深部感覚障害
- 舌下神経線維→同側の舌半側の麻痺・萎縮
が起こる。
これらをDejerine症候群と呼ぶ。
延髄内側梗塞のMRI画像診断のポイントは?
- そもそも延髄は頭部MRIの撮像範囲の下端に近く、内側外側ともに梗塞を見落としがちなので注意。
- 顔面を含まない片麻痺や感覚障害で病変を認めないときに注意深く延髄内側を観察する必要がある。
※ちなみに延髄外側梗塞はWallenberg症候群と呼ばれ、ホルネル症候群や温痛覚の左右差などが起こる。 - 両側延髄内側梗塞を起こした場合、DWI高信号の形がハート型のように見えることがあり、heart apperance signと呼ばれる1)。前内側。外側脊髄動脈の閉塞によるが、稀。
1)Eur Neurol 51(4);236-237,2004