肘関節MRIを読影する上で知っておくべき正常解剖

  • 骨関節構造
  • 内側コンパートメント
  • 外側コンパートメント

に大きく分けられます。

内側コンパートメント、外側コンパートメントについて動画解説しました。

 

骨関節構造

  • 3つの関節からなる。
  • 内側→①腕尺関節:上腕骨滑車と尺骨滑車切痕からなる。
  • 外側→②腕橈関節:上腕骨小頭と橈骨上関節面からなる。
  • 近位側の橈骨と尺骨を結ぶ→③近位橈尺関節:橈骨環状関節面と尺骨橈骨切痕からなる。

関連記事:肘関節の骨の解剖図をシェーマを用いて解説!

内側コンパートメント

  • 内側側副靱帯と総屈筋腱の2つの支持組織からなる。

①内側側副靭帯(medial collateral ligament:MCL)

  • 外反・屈伸時の内側安定機構。
  • 上腕骨内側上顆〜尺骨内側に付着。
  • 前・後・横線維束の3つからなり、前線維束が安定機構として最も重要。
  • 前線維束は内側上顆下面近くでは線維脂肪組織が靱帯線維間に存在するため、冠状断像で縞状の軽度高信号を示す。尺骨鉤状突起内側縁の停止部では明瞭な低信号を示す。

②総屈筋腱(common flexor tendon)

  • 内側側副靱帯(MCL)の支持組織
  • 上腕骨内側上顆の前面に起始し、前腕の屈曲回内運動を行う。

外側コンパートメント

  • 外側側副靭帯複合体と総伸筋腱の2つの支持組織からなる。

①外側側副靭帯複合体(lateral collateral ligament complex)

  • 外側側副靱帯複合体はややこしく、橈側側副靭帯(RCL:radial collateral ligament)、外側尺側側副靭帯(LUCL:lateral ulnar collateral ligament)、輪状靭帯(annular ligament)の3つの靱帯から成る。
  • 靱帯損傷の好発部位は、橈側側副靭帯(RCL:radial collateral ligament)、外側尺側側副靭帯(LUCL:lateral ulnar collateral ligament)の分離が難しい起始部付近。

②総伸筋腱(common extensor tendon)

  • 上腕骨外側上顆に付着。
  • 橈側側副靭帯(RCL:radial collateral ligament)の表層をほぼ平行に走行する。

肘関節のMRI画像

この記事で用いた肘関節MRIの画像(T2*WI冠状断像)の連続画像はこちらから閲覧できます。

 

参考文献:画像診断 Vol.42 No.10 2022 P1054-1057

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