下肢CTA(下肢の血管)の解剖は?
下肢CTAの解剖は次のようになります。
腹部大動脈→総腸骨動脈→外腸骨動脈→大腿動脈→膝窩動脈→(3分枝)→前脛骨動脈、腓骨動脈、後脛骨動脈 →足へという流れで血管の名前は変わっていきます。
下肢CTAのレポートに記載すること
- 部位、長さ、狭窄の程度、側副血行路:増生の有無と程度
- 狭窄の程度の表現:軽度、中等度、高度の狭窄、閉塞
- 広い範囲で血管内腔の凹凸が見られる場合:「広狭不整」と表現する。
- 病変の範囲はcmで測定記載する。
- 極めて短い範囲の狭窄は (ultra) short segment stenosisと表現する。
- MRAでは狭窄所見が過大表示(over estimate)される傾向にある。
- →狭窄血管内の血流信号がほとんど見えない症例でも、周囲に側副血行路がほとんど見られない場合は、完全閉塞ではなく高度狭窄の方が多い。
下肢動脈の径と流速の関係
下肢の動脈の径と流速の関係は次の通り。
下肢動脈 | 径 | 流速 |
大腿動脈 | 10mm | 0.8~1.2m/s |
膝窩動脈 | 5mm | 0.5~0.7m/s |
後脛骨動脈 | 2mm | 0.4~0.6m/s |
足背動脈 | 2mm | 0.3~0.5m/s |
Fontaine分類とは?
- Ⅰ度:無症状、冷感、しびれ感
- Ⅱ度:間欠性跛行、安静時無症状 →手術療法の相対的適応
- Ⅲ度:安静時疼痛
- Ⅳ度:潰瘍、壊死 →Ⅲ、Ⅳ度は手術療法の絶対的適応