胃癌の術後の画像診断のポイント

  • 胃癌術後のフォローは局所再発を含め造影CTを基本とする。
  • 局所再発の造影CT所見は、吻合部および周囲の不整形軟部腫瘤として認める。
  • 造影CTで再発腫瘤が不明確な場合には、FDG-PETが有用な場合がある。ただし、低分化腺癌のように間質増生の発育を示し、腫瘍組織に乏しい組織型の場合はFDG集積が弱いため、偽陰性に注意。

胃癌の遠隔転移の画像診断

  • 胃癌の遠隔転移再発は、他の癌腫と異なり、肝転移や肺転移などの血行性転移よりも腹膜播種による再発が多く、その半数以上を占める。再発であっても原発と同時性に認める腹膜播種と大きな違いはない。
  • 播種を起こす病理学的危険因子として、腫瘍のサイズが大きい、漿膜外浸潤がある、低分化型腺癌である、浸潤型の発育様式を示す、リンパ節転移が陽性であるなどがある。
  • 腹膜・腸管膜・大網・Douglas窩などの結節・腫瘤として認められる。
  • 多くは腹水を伴う。
  • 着床、浸潤した部位により、臓器の機能障害を生じる。
  • 浸潤を受けた胆管や尿管、直腸は造影される壁肥厚を示す。
  • 直腸においては、target signと称される層状の造影を認める場合がある。

正しいものを一つ選べ。

  • 胃癌の再発は腹膜播種が多い
  • 胃癌の再発は肺転移が多い
  • 胃癌の再発は肝転移が多い

正解!

不正解...

正解は胃癌の再発は腹膜播種が多いです。

胃癌の再発は他の癌腫と異なり、腹膜播種による再発が多い。

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症例 60歳代女性 進行胃癌

大網の脂肪織濃度上昇を認め播種結節あり(オレンジ→)。

Douglas窩に腹水貯留があり、腹膜に沿った壁肥厚を認めています(水色→)。癌性腹膜炎を疑う所見です。

※この症例は再発ではなく、原発と同時に認めた症例となります。

参考文献:画像診断 Vol.43 No.11 増刊号 2023 P76-84

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