BCG関連肉芽腫症
- 膀胱癌に対するBCG(bacillus Calmette-Guerin)膀胱内注入療法後に肉芽腫性病変を来す合併症。
- 合併症が起こる部位の頻度は精巣上体結核0.2%、結核性前立腺炎(肉芽腫性腎盂腎炎)0.2%、膀胱結核(肉芽腫性膀胱炎)0.1%、腎結核(腎肉芽腫)0.1%、肺結核0.02%。
肉芽腫性前立腺炎(granulomatous prostatitis)
- 良性前立腺疾患の0.8%を占める稀な疾患で、前立腺手術や結核、自己免疫性疾患など様々な原因で起こる。特発性が多いとされてきた。
- 近年、BCG膀胱内注入治療後の合併症としても起こることが知られてきた。
- BCG膀胱内注入後の肉芽腫性前立腺炎の発生頻度は1.3%と報告されている。
- 臨床的には結節や前立腺の硬結を触知し前立腺癌と区別できないことが多い。
- PSA上昇は約半数に上昇する。
- MRIで病変は辺縁域に好発し、T2WI低信号、早期濃染され遅延相でも造影効果が遷延するのが典型。遷延する点が前立腺癌との鑑別点となる。
腎肉芽腫症(renal granulomatous disease)
- BCG膀胱内注入後の腎結核性肉芽腫の発生頻度は0.1%と報告されている。
- 機序は膀胱尿管逆流症や血行性播種による。
- 症状は発熱、側腹部痛、頻尿など。無症状のこともある。
- 画像所見としては境界不明瞭な乏血性腫瘤として描出される。
- ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による感染と異なり、腫瘤部に接する腎杯構造が保たれるとされており、central unaffected calyx signとして報告されている。
- 急速にサイズが増大することがある。
参考文献
- 臨床放射線 Vol.67 No.2 2022P154-6
- 臨床画像 Vol.34 No.4 増刊号,2018 P191-2
- 画像診断 Vol.34 No.4 臨時増刊号 2014 P216
- 泌尿器科領域 画像診断の勘ドコロNEO P27
- 臨床放射線 Vol.63 No.4 2018 P493-4