頸助/頚肋(cervical rib)とは?
- 第七頸椎にはしばしば不完全な肋骨が存在しこれを頸助(cervical rib)という。
- 要するに、頸椎なのに胸椎のように肋骨をもっている状態。
- 時に先端が下方まで及び、第1肋骨と連続することもある。
- 全人口の0.5%程度にみられる。
- 片側性にも両側性に生じることもある。
- 通常は無症状であるがその形状によって胸郭出口症候群の原因になったり、鎖骨上窩に腫瘤のように触知されたりすることがある。
- 根跡的なものから正常な肋骨に近い形のものまで種々のものがある。
- 症状の強いものについては頸助切除術を行う。
頸助/頚肋(cervical rib)の画像所見
- X線上の頸肋の存在は比較的高頻度に認められる。
- 鑑別が必要なものとして、第7頸椎横突起の過形成と、第1肋骨の低形成がある。
- 第7頸椎か第1胸椎かの判断は、頸椎では横突起が下向きであるが、胸椎では横突起が上向きになっている点をチェックする。
症例70歳代女性 胸郭出口症候群
レントゲンで頚椎C7から左側にあたかも肋骨のように骨の突出を認めています。
頸肋を疑う所見です。
CTではその様子がよくわかります。
頸肋による胸郭出口症候群と診断されました。
参考文献:
- 画像診断に絶対強くなるツボをおさえる! P138-9
- 画像診断 2020年7月号(vol.40 No.08) P857