脊椎硬膜外血腫
- 下部頚椎〜上位胸椎、下部胸椎〜上部腰椎レベルが好発部位。
- 原因が不明な特発性が40-50%と最多。
- その他、凝固異常、変形性脊椎症、外傷、脊椎術後、硬膜外麻酔後、血管異常などが要因となる。
- 四肢への放散痛を伴った突然の背部痛で発症し、血腫の増大とともに運動障害、感覚障害、膀胱直腸障害などが生じる。
- 出血源として、硬膜外静脈・動脈の破綻、血管奇形からの出血が考えられている。
脊椎硬膜外血腫の画像所見
- CTでは急性期の場合、髄液よりも高吸収を呈する頭尾方向に伸びる紡錘状、三日月状の血腫として認める。サイズが小さい場合、矢状断などで観察しないと、見逃されやすい。
- MRIでは背側領域優位に分布する紡錘状もしくは三日月状の硬膜外腔占拠性病変として認める。血腫の信号は時期により異なる。
- 造影T1WIで辺縁に造影効果を認めることがある。
硬膜外血腫は上のように硬膜上腔と呼ばれる腔に広がる。
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参考文献:
- すぐ役立つ救急のCT・MRI 改訂第2版 P110-111
- 画像診断 Vol.32 No.7 2012 P665-666