薬剤や治療が原因で起こりうる骨軟部病変
- ステロイド→骨粗鬆症、骨壊死
- グルコン酸カルシウム→骨硬化・骨膜反応
- プロスタグランジン→骨硬化・骨膜反応
- ビタミンA→骨硬化・骨膜反応
- ビスホスホネート→大腿骨非定型骨折)、顎骨壊死 1)
- BCG接種→骨炎・骨髄炎
- ボリコナゾール(フッ素)→骨膜炎
- 放射線治療→骨壊死、脆弱性骨折
- 温熱治療→骨髄変化2)
ビスホスホネートによる骨軟部病変
大腿骨非定型骨折
通常の頸部骨折ではなく、大腿骨小転子遠位部直下〜骨幹部に骨折が起こる。
骨折部の外側骨皮質に限局性の骨肥厚が見られる(beaking or flaring)と報告3)されている。
顎骨壊死
CTで顎骨の骨吸収を認め、その後骨壊死や病的骨折を起こす。
骨シンチや、FDG-PETにて集積を認める。
早期診断治療をすることが求められている。
BCG接種よる骨軟部病変
小児のBCG接種後の副反応では、接種側の腋窩リンパ節腫大が最多。
まれに、骨炎や骨髄炎を生じることがある。
成人の場合は、膀胱癌に対するBCG膀胱注入療法でも骨軟部感染症が起こることが知られている。
好発部位は長管骨。
ボリコナゾールよる骨軟部病変
ボリコナゾールはアスペルギルスやカンジダ症に用いられる抗真菌薬。
フッ素を含んでおり、フッ素による骨新生もしくは骨膜炎に関与していると推測されている。
症状は全身のさまざまな部位での筋肉痛と骨痛。
レントゲン画像で骨膜反応を認める。
参考文献:
画像診断 vol.36 No.12 2016 P1151-1161
1)RadioGraphics 29:1971-1984.2009
2)Radiology 260:192-198,2011
3)AJR 198:1144-1151,2012