未熟奇形腫(immature teratoma)
・未熟な胎児成分を含む神経外胚葉組織。未熟な成分と成熟した胎児性成分を含む。
・未熟な部位は大小の無数の嚢胞と充実部が混在する。
・卵巣の奇形腫の中でも1%以下と稀。
・20歳以下の若年者に多い。
・大きな充実性腫瘤の形態を呈する。平均18cm。
・脂肪が少ない。脂肪や石灰化は成熟嚢胞性奇形腫と比較して細かい。ばらばらと散らばる。
・未熟組織の量によりgrade1-3に分類する。
・Ⅰa期かつgrade1以外は予後不良。
・奇形腫を背景に、扁平上皮癌、腺癌、悪性黒色腫、横紋筋肉腫などが発生することがある。
・しばしば腹膜播種をきたす。リンパ節転移することもある。
・AFPが60%で高値になる。卵黄嚢腫瘍成分を含むと高くなる。
未熟奇形腫の画像所見
・石灰化や脂肪成分がばらばらと散らばって認められる。脂肪成分は、T1WIで小さな高信号を示し、脂肪抑制T1WIで抑制される。
・成熟嚢胞性奇形腫と異なり脂肪成分は少ない。
・造影される充実部あり。
・周囲への浸潤所見を認めやすい。
・組織学的なgrade分類が治療には重要であるが、画像上でのgarde分類は困難なことが多い。
・成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化との鑑別が問題となることがあるが、成熟嚢胞性奇形腫では壁在結節が出現する形態が一般的。