卵巣線維腫・莢膜細胞腫
- 性索間質性腫瘍に分類される良性腫瘍で、卵巣原発の良性充実性腫瘍として最多。
- 組織織学的に混在も多く、時に組織学的には鑑別が困難で、線維莢膜細胞腫(fibrothecoma)と診断されることがある。
- 線維腫は中年女性(平均48歳)、莢膜細胞腫は閉経後(平均59歳)に生じる。
- 大部分は片側性。両側性は1%と稀。
- 一般的に無症状で婦人科検診で発見される事が多い。
- 基底細胞母斑症候群に合併する場合は両側性(線維腫)。
- 莢膜細胞腫はしばしばエストロゲン活性を示し、閉経後では不正性器出血をきたす。
卵巣線維腫・莢膜細胞腫の画像所見
- 豊富な線維成分のため、T2強調画像にて低信号を呈するのが特徴的。
- 病変が大きくなると、浮腫や嚢胞変性によりT2強調画像にて信号上昇をみる。
- 3割は3cm未満だが15cm以上の巨大なものも報告あり。
- 石灰化や出血は稀。
- 漸増する淡い造影効果を呈することが多い(乏血性)。
- 莢膜細胞腫はエストロゲン刺激により、年齢不相応な子宮の腫大や内膜の肥厚を認める。
- 莢膜細胞腫の脂肪の検出にはChemical shift imagingが有用との報告もあるが実際には稀。
- 腹水貯留を10-15%に伴う。大きいものほど腹水を伴いやすい。胸水も伴う場合はMeigs症候群と呼ばれる。
線維腫に関する病態
- Meigs症候群:線維腫の1%に合併。腫瘍の摘出により消失する胸腹水。
- 基底細胞母斑症候群(Gorlin症候群)
※基底細胞母斑症候群(Gorlin症候群)は、遺伝性疾患で、基底細胞癌や下顎骨角化嚢胞、硬膜の石灰化などを伴う。
乏血性
とありますが、乏血性ではない(バツマーク)という意味か、何かの文字化けかどちらでしょうか?
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