肺間膜(下肺靭帯)
・肺門に出入りする気管支、肺動静脈、リンパ管、神経および肺門リンパ節は結合織に包まれて一束となり、肺根を形成する。
・気管支、肺動脈、肺静脈の順に後方より位置する。
・肺表面を覆う臓側胸膜は肺門で肺根を包み、壁側胸膜へ移行する。肺門の下方では前後の胸膜はしだいに癒着して横隔膜方向へ二重葉を形成する。これを肺間膜と呼ぶ。
・完全型は下肺静脈から横隔膜にまで到達する。不完全型では下方は自由縁として横隔膜に到達する前に、終える。
・左右とも縦隔側固着部位は食道に対応しており、肺野条件CTは肺門より下のレベルで肺底区域への気管支血管束と縦隔を結ぶ線状構造、肺底部レベルでは、肺静脈と傍食道との線状構造として認められる。
・CTでは右側で40-60%で、左側で60-70%の頻度で見られる。
・区別すべきは、横隔神経の走行に伴う胸膜の引きつれ。
・右側では肺間膜は下肺静脈の後方、右横隔神経は下大静脈の側方あるいは前方に位置することで鑑別する。