鼠径管から陰嚢にかけて起こる病気
もともと精巣は鼠径管から陰嚢へと移動をしていきます。
このとき、腹腔内と陰嚢は繋がっていることになりますが、やがて精索や女性の場合は子宮円索として、索状の構造に置き換わります。
ところが、この精巣が通っていった腹膜(腹膜鞘状突起(女性の場合はNuck管と呼ばれる))がうまく閉鎖しなかった場合、そこに水がたまると
- 男性→陰嚢水腫
- 女性→Nuck管水腫
の原因となります。
さらにこの経路には水がたまるだけではなく、さまざまな病変の伸展経路になることがあります。鼠径ヘルニアは代表例ですが、その他にも、外側鼠径窩-鼠径管-陰嚢に生じる病変としては、
- 腹膜中皮腫
- 転移性精索腫瘍(胃癌が最多):腹膜播種からの精索浸潤。
- 異所性子宮内膜症
を覚えておきましょう。