先に結論:鎖骨遠位端骨折

  • 鎖骨遠位端骨折は、烏口鎖骨靭帯が切れて骨折部が不安定になっているかが治療方針(保存か手術か)を決めるポイントです
  • Craig分類(Neer分類)のII型・V型は不安定型で、中枢側の骨片が上に大きくずれるため手術を考えます
  • X線で骨片のずれ(転位)・烏口突起と鎖骨の距離を確認し、分かりにくいときはCTで骨片の数や関節面への広がりを評価します

鎖骨遠位端骨折

  • 手術適応が問題となる。つまり、骨折が安定型か不安定型かが問題となる。
  • 不安定型で転位の大きい場合には、保存療法の回復は厳しく、手術が必要となる。鎖骨遠位端骨折は鎖骨骨折全体の15〜30%を占める(Sandstrom 2018)。Neer II型を中心とした425骨折の系統的レビューでは、保存療法の偽関節率は33.3%と手術(1.6%)より高かったが、機能成績はおおむね許容範囲で、手術では偽関節以外の合併症が22.2%にみられた(Oh 2010)。
  • 安定性には、肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯の断裂の有無が大きく関与している。
  • 分類には、Craig分類がある。TypeⅡ、Ⅴが不安定型とされる。烏口鎖骨靭帯より外側で骨折し不安定となる「extralateral」型はNeer分類では区別されずIIbに含められることが多く、Neer分類にIIc型として加える修正が提案されています(Panagopoulos 2021)。

Craig(クレイグ)分類の一覧

Craig分類はNeer分類を細かくした鎖骨遠位端骨折の分類で、烏口鎖骨靭帯(円錐靭帯・菱形靭帯)と骨折線の位置関係で分けます(Kim 2020)。

型 骨折の位置・特徴 安定性
I型 烏口鎖骨靭帯より外側、転位はわずかで肩鎖関節に及ばない 安定
II型 烏口鎖骨靭帯より内側。IIAは円錐靭帯より内側、IIBは円錐靭帯と菱形靭帯の間で円錐靭帯が断裂 不安定
III型 I型と同じく外側だが、肩鎖関節面に及ぶ 安定
IV型 小児で骨膜の筒が破れ、内側の骨片が上へずれる -
V型 II型に似た粉砕骨折で、烏口鎖骨靭帯は下方の小骨片に付く 不安定

なお「右鎖骨遠位端骨折」は「みぎさこつえんいたんこっせつ」と読み、右の鎖骨の肩側の端の骨折を指します。

鎖骨骨折についてはこちらにも詳しくまとめました。→【画像あり】鎖骨骨折とは?症状、分類、治療、手術適応まとめ!

 動画で学ぶ鎖骨遠位端骨折の画像診断

▶キー画像

clavicle clavicle1 clavicle2

右鎖骨遠位端に骨折あり。

骨片を複数認めており、骨の転位も認めています。

参考)骨折の画像診断 東京慈恵医科大学 福田国彦先生ら

関連記事:大腿骨遠位端骨折の画像所見と分類

関連記事:骨の端の骨折の呼び方は?遠位端、近位端でよい?それ以外は?

参考文献

  1. Chen PH, Chen CY, Lin KC, et al. Fixing Cho type IIC distal clavicle fractures with hook plates leads to a high incidence of subacromial osteolysis: a retrospective study and literature review. Clin Orthop Surg. 2024;16(5):694-701. PubMed
  2. Panagopoulos A, Solou K, Nicolaides M, et al. Coracoclavicular fixation techniques for Neer IIb and “extralateral” fractures of the distal clavicle: a systematic review. JSES Rev Rep Tech. 2021;4(4):676-683. PubMed
  3. Sandstrom CK, Gross JA, Kennedy SA. Distal clavicle fracture radiography and treatment: a pictorial essay. Emerg Radiol. 2018;25(3):311-319. PubMed
  4. Oh JH, Kim SH, Lee JH, et al. Treatment of distal clavicle fracture: a systematic review of treatment modalities in 425 fractures. Arch Orthop Trauma Surg. 2010;131(4):525-33. PubMed
  5. Kim DW, Kim DH, Kim BS, et al. Current Concepts for Classification and Treatment of Distal Clavicle Fractures. Clin Orthop Surg. 2020;12(2):135-144. PubMed

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