鼻骨骨折
- 顔面骨折で最多。
- スポーツや喧嘩などの外傷による受傷が多い。
- 単独骨折が多いが、15%程度に他の顔面骨折を伴う。
- 鼻中隔骨折と上顎骨前鼻棘突起骨折も鼻骨骨折に分類される。
- 鼻骨骨折は通常鼻中隔骨折を伴わないが、鼻中隔骨折は単独では生じない。
- 症状は鼻の変形(斜鼻、鞍鼻)、鼻閉塞など。
- 基本的に、救急を要する疾患ではない。
- 大量出血と鼻中隔血腫がなければ、翌日耳鼻咽喉科コンサルトでもよい。
▷鼻骨骨折の分類
- 正面からの外力→鞍鼻型(frontal type)
- 側方からの外力→斜鼻型(lateral type)。
斜鼻型(lateral type)の頻度が高い。
※鼻中隔骨折と上顎骨前鼻棘突起骨折も鼻骨骨折に分類される。
- 斜鼻型の場合、骨の偏位は下方や外側に起こる。ただし偏位のほとんどない骨折もある。
- また、鼻中隔の肥厚(血腫による)の有無をチェック。
- 鼻中隔血腫(Septal hematoma)があれば、可及的に鼻中隔粘膜切開による血腫除去が必要。放置すると鼻中隔穿孔から鞍鼻変形を来すため。
- 骨折の偏位が明らかで、鼻閉などの機能障害がある場合は整復術が行なわれる。
- 鼻骨骨折整復は、麻酔後、指や骨膜剥離子、鉗子にて整復して、鼻骨を挙上する。整復後、鼻内にタンポンを挿入し固定。固定が大事。
- 整復は受傷後2週間以内であれば、可能。それを過ぎると組織の増殖と癒着を生じるため、観血的に整復するしかない。
こちらにも詳しくまとめました。→【CT画像あり】鼻骨骨折の判断は?何科を受診?症状・治療
鼻骨骨折の画像診断
- CTの骨条件での診断が基本。骨折の有無、偏位の有無、鼻中隔の肥厚の有無をチェックする。
- また、X線(Waters法、Caldwell法)にて確認することも可能。
症例 80歳代男性 鼻骨骨折、鼻中隔骨折
症例 40歳代 男性
鼻骨骨折、鼻中隔骨折、鼻中隔出血の症例。