頚部リンパ節の悪性リンパ腫
非Hodgkinリンパ腫
- 非Hodgkinリンパ腫は節外発生が一般的であるが、頭頚部は半数にリンパ節病変がある。
- リンパ節は多くが両側性、複数腫大で、リンパ節転移による腫大に比べ、表在リンパ節の腫大も多い。
- CTでは筋肉と等吸収、内部は均一で造影後には均一な増強効果を示す。
- MRIではT1強調像で軽度低信号、T2強調像で内部均一な軽度高信号を示す。
- ただし、頭頚部領域のリンパ腫は、他部位と異なり未治療でも壊死を伴うことが比較的多く、壊死部はT2強調像で不均一な高信号、造影が不良となる。節外浸潤を生じるものもあり、まれに石灰化を生じる。
- Waldeyer咽頭輪に腫瘤を認めることがあり、確認は必須。
Hodgkin病
- nodal typeの非Hodgkinリンパ腫とHodgkin病との鑑別はつかないことが多い。
- 単一リンパ鎖から生じ、連続性にほかのリンパ鎖を侵す。
- 円形・類円形で境界は明瞭である。
鑑別診断
Castleman病:
- 頚部病変ではunifocal Castleman病が90%以上なので、境界明瞭。
- 内部均一で中等度~強い増強効果を示す単発の腫大リンパ節が多い。
- T2強調像で高信号の腫大リンパ節内に枝分かれする索状低信号が見られると診断能が高まるといわれる。
サルコイドーシス:
- 増強効果を伴うびまん性頚部リンパ節腫大で鑑別は難しいが、多くは縦隔にもリンパ節腫大があり、涙腺や唾液腺に病変を伴うことが多い。
- 内部均一で境界明瞭。
白血病:
- 慢性リンパ性白血病や急性白血病ではリンパ節に腫瘍細胞浸潤が生じ、リンパ節腫大が見られることがある。
参考&引用改変)
臨床画像2013年10月増刊号 頸部リンパ節腫大