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下咽頭扁平上皮癌(hypopharyngeal cancer)

梨状陥凹(70%)>咽頭後壁(20%)>輪状軟骨後部(10%)
※食べ物は一旦梨状陥凹に溜まってから食道へと移行するため、刺激を受けやすい場所である。そのためここ腫瘍ができやすい。

・予後は輪状後部、後壁、梨状陥凹の順に悪い。

・50歳以降、60〜70歳代にピークあり。最近は80歳代も増加。

・男性に多いが、輪状軟骨部は女性に多い。

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・危険因子は、梨状陥凹癌は喫煙、飲酒。後部癌は女性のPlummer-Vinson症候群。

・初期症状に乏しい。→進行癌が多い。

70%はリンパ節転移あり。

・10%で同時性、異時性の重複癌あり。特に食道癌

・画像診断では、CT、MRIは互いに相補的。コントラストはMRIが優れるがmotion artifactの問題、撮像範囲の問題がある。

・治療は、咽頭喉頭頸部食道摘出術(喉頭を全摘する)、下咽頭部分切除術(喉頭を温存する)に大きく分けられる。

・T1,T2の場合は、放射線化学療法を行う。

下咽頭癌のT分類

(頭頸部癌取扱い規約、UICC 2010)

T1:1亜部位に限局し,最大径が2cm以下の腫瘍

T2:片側喉頭の固定がなく、1亜部位を越えるか、隣接部位に浸潤する腫瘍、または最大径が2cmを越えるが4cm以下の腫瘍

T3:最大径が4cmを越えるか、または片側喉頭の固定する腫瘍(または食道に進展する腫瘍)

T4a:甲状軟骨や輪状軟骨、舌骨、甲状腺、食道、頸部正中軟部組織のいずれかに浸潤する腫瘍

T4b:椎前筋膜、縦隔に浸潤する腫瘍、または頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍

下咽頭癌の亜部位

・亜部位は3つある。亜部位が重要で難しい。なぜ重要か?予後が異なるから。

梨状陥凹癌は進行しやすいが予後はよい

咽頭食道接合部(輪状後部)は予後が悪い

(1)咽頭食道接合部(輪状後部):披裂軟骨と披裂間部の高さから、輪状軟骨下縁まで、つまり下咽頭の前壁を形成する。

(2)梨状陥凹:咽頭喉頭蓋ヒダから食道上端まで。外側は甲状軟骨、内側は披裂喉頭蓋ヒダの下咽頭面と披裂軟骨および輪状軟骨を境界している。

(3)咽頭後壁:舌骨上縁(喉頭蓋谷の底部)の高さから輪状軟骨の下縁まで、ならびに一方の梨状陥凹尖端から他方の尖端まで。
①後壁と輪状後部の境界
②後壁と梨状陥凹の境界
③梨状陥凹と輪状後部の境界
④喉頭と梨状陥凹の境界

・横断像だと梨状陥凹なのか後壁にあるのかわかりにくいことがある。その場合は、矢状断像を使う。

咽頭後リンパ節は所属リンパ節ではない。つまり遠隔転移になる。下咽頭後壁癌、後壁に進展する癌に転移が多い。

下咽頭亜部位のCT上の境界線
  • 縦線:輪状後部と梨状陥凹の境界=披裂軟骨の外側および輪状軟骨板の外側縁
  • 横線:梨状陥凹と後壁の境界=甲状軟骨の最背側を結んだ線

の2本の境界線を引くと下のように亜分類を見ることができる。

hypopharyngeal cancer2 hypopharyngeal cancer3

下咽頭癌の進展範囲を読影する際のチェックポイント

  • 腫瘍の最大径。
  • 喉頭への進展の有無。
  • 軟骨浸潤の有無。
  • 上下方向への進展範囲の決定(中咽頭、頸部食道)
  • 軟部組織浸潤の有無(特に梨状癌)
  • 梨状窩尖部への進展の有無。
  • 原発亜部位の決定
  • 転移リンパ節の有無
症例 50歳代男性。胃内視鏡でたまたま発見。左梨状陥凹。T1N0M0。

hypopharyngeal cancer hypopharyngeal cancer1

症例 60歳代の男性。右頸部の違和感を訴えて来院。

hypopharyngeal cancer2006年放射線科診断専門医13より引用。

右梨状陥凹にT1強調像でやや低信号、T2強調像で淡い高信号を呈する病変を認める。甲状軟骨側板に浸潤あり。

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