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子宮外妊娠

・子宮体部内膜以外に着床し発育すること。全妊娠の1%

・子宮外妊娠の約95%は卵管妊娠であり、膨大部妊娠(70%)はその中の90%を占め、次いで峡部(25%)、間質部妊娠(3%)と続く。

・まれなものとして卵巣、頸部、腹腔内妊娠がある。

・クラミジア感染症など骨盤内炎症性疾患(PID)、骨盤内膜症、骨盤内手術の既往、子宮外妊娠の既往などがリスクファクターとなる。体外受精・胚移植(in vitro fertilization and embryo transfer;IVF-ET)などの生殖補助医療の普及により発生頻度が増加している。

峡部や間質部のように内腔が狭い部位では筋層内で胎嚢が大きくなるため筋層が薄くなり、太い血管の多い着床部が腹膜腔に破裂して大出血を呈する(卵管破裂)

・一方、膨大部妊娠では内腔が広く筋層の進展性がよいために胎嚢が内腔に突出し、この部分が破裂する(卵管流産)。そのため卵管留血腫を生じ腹腔内に流出する出血は少量にとどまることが多い。

・未破裂であっても破裂による大量出血を生じ重篤となる可能性があるため、早期に正確な診断が必要となる。

・妊娠初期には特徴的症状もなく、正常妊娠や切迫流産と鑑別が根案で、妊娠5週後半ー6週にかけ、エコーで子宮内に胎嚢が確認されない場合に疑われる。

・卵管妊娠では妊娠7-8週以降になると胎嚢が増大、破裂し、腹腔内出血による急性貧血、低血圧、頻脈となり、ショック症状を呈する。

・無月経、不正性器出血、下腹部痛は子宮外妊娠の3徴候と呼ばれる。

・手術療法が主体となる。

子宮外妊娠のエコー所見

・付属器に嚢胞・充実成分が混在する腫瘤像を認める。腫瘤像に子宮外胎嚢を認め、その内部に卵黄嚢さらに胎児像、胎児心拍が確認されれば診断は確定する。子宮内には胎嚢像を認めず、肥厚内膜を認める。その他、腹腔内出血の所見を認める。

・5週以上の正常妊娠ならば100%エコーで子宮内に胎嚢を確認できる。

子宮外妊娠破裂のCT,MRI画像診断

血腫の同定

・着床部位やその周囲に、反復性の出血を反映したT1、T2強調像ともに不均一な信号強度を呈する血腫を認める。腹腔内出血が少量であるときには、脂肪抑制T1強調像が有用である。

・急性期の出血はデオキシヘモグロビンを反映してT2強調像にて低信号を呈し、出血性の腹水が低信号を呈することがある。血腫の描出にはT2*強調像が有用。

・ときに大きな卵管留血腫や卵管周囲血腫を生じることがある。

胎嚢、着床部位の同定

・胎嚢の描出にはCTよりMRが優れている。

・胎嚢(T1WI低信号、T2WI高信号)は血流豊富な絨毛膜に囲まれている。早期相から強くリング状に増強される厚い壁を持つ嚢胞として描出される。

・したがって、MRIでは卵管に血腫があるかどうかを注意深く観察し、子宮内妊娠の可能性が否定できていれば、患者や婦人科医と合意のうえで積極的に造影を行って胎嚢の描出(良好な造影効果を示す嚢胞様構造)を試みるべき。

・胎嚢が不明瞭でも、豊富な血流を反映し、着床部位周囲のflow void(血流による無信号))の増生や、周囲の卵管壁の造影増強効果を認める。

その他

・妊娠に伴う子宮内膜の脱落膜化による内膜の肥厚を認め、卵巣出血との鑑別に有用である。

・絨毛性疾患との鑑別には、異所性妊娠で子宮のzonal anatomyが保たれることや、血性腹水が存在することが鑑別に有用とされている。

・診断が比較的困難とされる間質部や頸部妊娠においても、造影剤の投与によって絨毛組織を描出することにより着床部位を同定することが可能である。

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