頭部画像診断 TIPS症例26-2

【頭部】TIPS症例26-2

【症例】70歳代女性

スクリーニング

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脳ドックのガイドライン2019では、大脳白質病変について、

  • 脳室周囲病変(PVH)
  • 深部皮質下白質病変(DSWMH)

に分けて評価するよう記載があります。

では、この症例ではそれぞれいかがでしょうか?

深部白質に3mm以上の癒合傾向を示す斑状病変が散見されます。

また、脳室周囲にはやや厚く広がる高信号を認めています。

基底核レベルにおいても同様ですが、脳室周囲よりも深部皮質下白質病変が目立ちます。

まず脳室周囲白質病変(PVH)は今回の症例ではグレードⅡ相当と考えられます。

また深部皮質下白質病変(DSWMH)については、斑状で癒合傾向を示しておりますので、グレード3相当だと考えます。

(もしかしたら人によってはグレード2とするのかもしれませんが、3で良いかと考えます。)

 

診断:
深部皮質下白質病変(DSWMH)グレード3、
脳室周囲白質病変(PVH)グレードⅡ

 

関連:脳MRIの慢性虚血性変化とは?イラストと画像でわかりやすく解説!

 

【頭部】TIPS症例26-2の動画解説

 

 

お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。

過去のコメント
  1. グレード表を覚えて、解答の際には見ないようにしてしています。
    PVH、DSWMHともグレード1及び4は比較的わかりやすいので、グレード2と3をしっかりイメージできるようにしています。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >グレード表を覚えて、解答の際には見ないようにしてしています。

      つ、強者ですね!(^_^;)

      >グレード2と3をしっかりイメージできるようにしています。

      ここが難しいところですね。

  2. PVHのグレードを Ⅰ か Ⅱ で悩み、Ⅰ にしてしまいました。急性期病変というよりは慢性疾患であり、今後の予防や生活習慣の改善が主な対策になることを考えると、悩んだら重めの判断でいいのかもしれませんね。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >PVHのグレードを Ⅰ か Ⅱ で悩み、Ⅰ にしてしまいました。

      難しいところですが、Ⅰは最小ですので、それにすると目立つのでⅡという感じですね。

      >今後の予防や生活習慣の改善が主な対策になることを考えると、悩んだら重めの判断でいいのかもしれませんね。

      その結果、Ⅳを頻発するのは微妙だと思いますが、Ⅱ、Ⅲは悩ましいものが多いと思います。

  3. 今日もありがとうございます。
    前回の動画でもありましたがグレードIIとⅢ、グレード2と3の線引きが難しいですね。早く表も覚えます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >前回の動画でもありましたがグレードIIとⅢ、グレード2と3の線引きが難しいですね。早く表も覚えます。

      おっしゃるとおりかなり難しいです。読影する人による個人差もかなり出るところですね。

  4. 主観ももちろん入るとは思いますが、ある程度の線引きをしっかり持てるようにしたいですね

    1. アウトプットありがとうございます。

      ですね。Ⅰ、Ⅳ以外は主観も入ってしまいますね。

  5. 全く知らなかったので、前回1からの勉強でした。少し要領を得てきました。ありがとうございました。

    1. ぶっちゃけ細かいところまで知っておく必要はないのですが、人間ドックガイドラインでは分類されているので、1度くらいはその分類に従って分類してみようという企画です。

      それにより二つの白質変性の違いを理解したり、高度な場合は指摘しなきゃ!と思えるようになれればと思います。

  6. 複雑に見える表もわかりやすい解説ですんなり頭に入ってきます。
    FLAREでクリアですね。

    1. アウトプットありがとうございます。

      そうですね。FLAIRで通常は評価します。T2WIの場合は過小評価する可能性がありますね。