
【頭部】TIPS症例14補足
【症例】80歳代女性
スクリーニング
画像はこちら
側脳室前角に左右差がありますがこれは何?
FLAIRがわかりやすいのでFLAIRで見てみましょう。
左側脳室前角がくっついているように見え、確かに前角に左右差があります。
こちらは、前角癒合と呼ばれる正常変異です。
症例13で出てきた後角分離の仲間みたいなものと思ってください。
症例14の画像で実はこの前角癒合があり、コメントをいただきましたので今回補足症例として追加しました。
診断:左前角癒合(があるため左右差があるようにみえる)
症例14は血管周囲腔の症例でしたが、この症例でも血管周囲腔を確認できますのでT2WIで見てみましょう。
- 両側基底核下部
- 右優位に海馬
- 中脳右側
に高信号を認めていますが、いずれも血管周囲腔を疑う所見です。
海馬の場合は、遺残海馬溝とも呼ばれるのでした。
関連:
その他所見:
- 脳室周囲白質変性あり。
- 両側放線冠や半卵円中心に陳旧性微小梗塞の混在の可能性あり。
【頭部】TIPS症例14補足の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。

補足問題&解説ありがとうございます。
この症例では血管周囲腔は海馬や中脳にもありますが、海馬や中脳に関しても脳梗塞との鑑別において部位が1番の鑑別点になるのでしょうか?それとも信号変化(FLAIRで周囲の高信号域の有無など)を参考にするのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
これらの部位は脳梗塞の好発部位ではありませんので部位も大事ですし、FLAIRでの周囲高信号も重要です。
ありがとうございます。部位とFLAIRで鑑別するようにします。