・患者背景と手技内容がさまざま

・ 局所再発が多い→単に肝動脈を塞栓するだけではHCCは完全壊死にはならないから。なぜか?

  1. 動脈塞栓前後の門脈血の関与
  2. 肝内外での動脈動脈吻合の存在
  3. 肝外側副路の関与

があるから。

TACE後の腫瘍再発のメカニズムは?

門脈で栄養される腫瘍部分は動脈塞栓後にも残存する。

腫瘍の導出血管や類洞からの門脈血の逆流が腫瘍の残存を助ける。

動脈吻合を介した側副路からの動脈血も腫瘍の残存を助ける。

その結果、

・残存腫瘍は増大し、不完全に塞栓された動脈や近傍の動脈、肝外側副路から栄養されるようになる。

・動脈が完全に閉塞し、肝外側副路も発達できない場合には門脈から栄養されるようになる!?

では、TACEの治療効果を高めるためには

門脈側(排出門脈血流域) も塞栓する

塞栓範囲と肝動脈損傷を最小限にする (肝予備能の温存と経血管的治療期間の延長)

肝外側副路( 動脈動脈吻合) を積極的に塞栓する。

つまり、超選択的なカテーテル挿入(Superselective catheterization) 

TACEにおけるLipiodolの意義

・Lipiodolは半液状の塞栓物質である。

・肝動脈から注入されたLipiodolは胆管周囲動脈叢や、腫瘍の排出血管を通って門脈内に流入する。

・動脈血流遮断時には周囲の門脈枝や類洞から腫瘍内への門脈血の逆流が生じる。

・Lipiodolはこの逆流をブロックし、経門脈性播種の生じやすい領域を予防塞栓する。

・Lipiodolは動脈-動脈吻合を通過する。

超選択的塞栓術(UltraseIectiveTACE)

・概念: 腫瘍を含む小領域での動脈門脈同時塞栓を目指す。

・適応: 6cm以下5 個以内(手技時間2hr以内)

・手技の特徴
1 . 亜々区域枝より末梢までマイクロカテーテルを挿入(ASAHl Veloute[1.7-F],ProgreatΣ[1.9-F])

2 . Lipiodol抗癌剤混合液を塞栓領域の門脈枝が描出されるまでゆっくり注入*

3 . 約0.2-0.5mm径に破砕したゼラチンスポンジにて動脈血流を十分に遮断

*早期に血流が停滞した際はリドカインやPGE1注入、 可能であればカテーテルを末梢に進める。

効果的なTACEを行うポイント

・限局例ではできる限り栄養血管を選択し、門脈内にLipiodolが流入するまでま栓する。

・末梢側の栄養血管から塞栓する。

・関与の少なそうな栄養血管から塞栓する。

・安全域を確認(意識) しながら過不足のない塞栓を行う

・区域診断を間違えない( 特に尾状葉)

・6cmを超える腫瘍では分割TACEが望ましい。(1回のTACEでのLipiodolの使用量は1 0 mL 以下とする)

・側副路を的確に塞栓する。

UItraseIectiveTACEの合併症

・ 肝梗塞・ 肝萎縮

・ 胆管壊死( 狭窄)

・ APshunt

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