先に結論:SIRSの基準

  • SIRSは「サーズ」とも読まれ、感染に限らず外傷・熱傷・膵炎などの強い侵襲で起こる全身の炎症反応を指します
  • SIRS(全身性炎症反応症候群)は、体温(36℃未満または38℃超)・心拍数(90回/分超)・呼吸数(20回/分超またはPaCO2 32mmHg未満)・白血球数(12,000超または4,000未満、または桿状核球10%超)のうち2項目以上を満たす状態です
  • 以前は「感染+SIRS=敗血症」とされていましたが、2016年のSepsis-3からは、感染による臓器障害(SOFAスコア2点以上の上昇)で敗血症を定義し、院外などではqSOFAで拾い上げます。qSOFAは呼吸数22回/分以上・意識変容・収縮期血圧100mmHg以下のうち2項目以上で陽性です。Sepsis-3ではSIRS基準は感度・特異度が不十分とされ、「重症敗血症」という用語も廃止されました。ただし2021年のSurviving Sepsis Campaignガイドラインは、敗血症・敗血症性ショックのスクリーニングにqSOFAを単独で用いることは、SIRS・NEWS・MEWSと比べて推奨しないとしています。qSOFAが陰性でも敗血症は否定できない点に注意が必要です。

SIRSの診断基準(SIRSスコア)

次の4項目のうち2項目以上を満たすとSIRSです(Bone 1992)。満たした項目の数を0〜4点で数えて「SIRSスコア」と呼ぶこともあります。

体温 <36℃または>38℃
脈拍 >90
呼吸数 >20またはPaCO2<32mmHg
白血球 >12000または<4000 あるいは桿状核球>10%

・初期は過換気による呼吸性アルカローシス、進行すると乳酸アシドーシス(代謝性アシドーシス)を来しうる

SIRSとは(わかりやすく)

SIRS(systemic inflammatory response syndrome)は、体のどこかに強いダメージが加わったとき、熱・脈・呼吸・白血球という全身の反応がそろって出てきた状態です。原因は感染症だけでなく、外傷・やけど・膵炎・大きな手術などでも起こります。4項目は「熱・脈・息・白」と覚え、熱は高すぎても低すぎても、白血球も多すぎても少なすぎても当てはまる点がポイントです。

SIRSと敗血症の関係

1992年の定義 Sepsis-3(2016年)
敗血症 感染+SIRS 感染による臓器障害(SOFA 2点以上の上昇)
SIRSの位置づけ 診断の柱 定義からは外れた

感染と臓器障害があるICU患者109,663例の検討では、12.1%(8人に1人)はSIRSを2項目未満しか満たさず、SIRSの項目が1つ増えるごとに死亡のリスクは上がりましたが、2項目を境にした急な変化はありませんでした(Kaukonen 2015)。SIRSを満たさなくても重症の感染症は否定できません。

参考文献

  1. Bone RC, Balk RA, Cerra FB, et al. Definitions for sepsis and organ failure and guidelines for the use of innovative therapies in sepsis. The ACCP/SCCM Consensus Conference Committee. Chest. 1992;101(6):1644-55. PubMed
  2. Singer M, Deutschman CS, Seymour CW, et al. The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. 2016;315(8):801-10. PubMed
  3. Evans L, Rhodes A, Alhazzani W, et al. Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2021. Crit Care Med. 2021;49(11):e1063-e1143. PubMed
  4. Shankar-Hari M, Phillips GS, Levy ML, et al. Developing a New Definition and Assessing New Clinical Criteria for Septic Shock: For the Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. 2016;315(8):775-87. PubMed
  5. Kaukonen KM, Bailey M, Pilcher D, et al. Systemic inflammatory response syndrome criteria in defining severe sepsis. N Engl J Med. 2015;372(17):1629-38. PubMed

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