脳脊髄液の流れ(CSF fIow)によるアーチファクト
- flow voidとは血流あるいはCSFの流れのために発生する信号消失のこと。
- T2強調像やFLAIR像で目立ち、T1強調像では信号低下を来さないか、あっても目立たないことが多い。
- High velocity signal lossによるもの。
- 血流による脈管内のflow voidは再現性が高いが、CSFの流れによるflow voidは再現性が低く、T2強調像を再撮像すると所見が消失することも多い。
- CSFの流れによるflow voidは脳室拡大のない若年者のMonro孔付近にしばしば見られ、脊髄MRIで頚髄や胸髄の周囲にも認められることがある。
- 狭い所、あるいは狭い所から広い所へ移行する部位で脳脊髄液の流れが速くなり、側脳室前角、第三脳室、中脳水道、第四脳室、脳幹周囲の脳槽などでアーチファクトは多く見られる。
動画で学ぶCSF flow artifact
Time-SLIP法による正常脳の画像により、正常例で髄液がMonro孔を経て、第3脳室から側脳室に逆流する様子を観察できる。
次のTime-SLIP法の動画を見るとMonro孔では正常でも流れが逆流していることもあり、どうしてアーチファクトが生じるのか納得できます。