Ⅰ期非小細胞肺癌に対する定位放射線治療
・治療後、完全に消失する症例は10%以下。
・普通は、肺炎様になった後、収縮性変化が残る。中にはdenseが大きな陰影が残り、LKとの画像での鑑別は困難なことがある。
・定位放射線治療の患者は年々増えている。
・治療成績の報告にはばらつきがある。大きさと線量による。アメリカでは子宮頸癌などでもそうだけど、線量が多い。サイズ小さくて線量大きければ制御よい。ただし、局所コントロールは90%前後でできており、報告によるばらつきは少ない。
・日本では12Gyの4回法を用いる(48Gy/4fr)のがメイン。
・日本での後向き研究では、100Gy以上で局所制御は良好。(BED:biological effective doseは100Gy以上ということ)。
・有害事象は放射性肺臓炎(radiation pneumonitis)が最多、他、肺胞出血、食道炎など。
放射性肺臓炎の注意点
・時間がかなり経過したあとで出てくることがある。
・一旦消えた後、再び出てくることがある。
・肝の直上に放射線を当てた場合、肝転移のように肝に変性が起こることがある。
・特に肺線維症はリスクファクター。他に、線量が多かったり、中心型のLK(閉塞性肺炎起こしたり、大血管傷つけたりする)にはリスクが高い。
・末梢型のLKでは肋骨骨折が半分の患者に起こる。症状あるのはその半分。骨転移と間違えないように。他には、胸壁に炎症が生じることがある。
・COPD患者では手術とSABRは5年生存率に差がない。むしろRTの方が良い。なので手術できる人にも代替となりえる。