腹膜偽粘液腫(pseudomyxoma peritonei)

  • 腹膜偽粘液腫は腹腔内にゼリー状の粘液が存在することを示す。’jelly belly’とも呼ばれる。
  • 以前は卵巣粘液性嚢胞腺癌あるいは境界悪性腫瘍の破裂と考えられていたが、現在は虫垂が原発で卵巣腫瘍は虫垂(なかでも低悪性度粘液産生性腫瘍 low-grade appendiceal mucinous neoplasm:LAMN)からの転移と考えられている。
  • 腹膜偽粘液腫に伴って卵巣腫瘍が認められる場合でも、虫垂病変の転移あるいは播種と考えられている。
  • 稀に、直腸癌や結腸癌から起こることもある。卵巣の病変は両側性であることが多く、片側性の場合は虫垂に近い右卵巣が多い。
  • 骨盤内臓器を圧排、腹部膨隆をきたす。
  • 好発年齢は23-83歳と幅広く(平均49歳)、やや女性に多い。
  • 症状は進行性の腹痛、腹部膨満感、体重減少など。
  • 虫垂粘液嚢胞腺腫(良性)と虫垂粘液嚢胞腺癌(悪性)はともに腹腔内に穿破することにより、腹膜偽粘液腫を引き起こし予後は不良である。
  • なので、たとえ良性の虫垂粘液嚢胞腺腫といえども、手術の際には内容物である粘液を腹腔内に散布しないことが重要
  • 腹膜偽粘液腫を発症した場合、5年生存率は良性のもので84%、悪性のもので6.7%とされる。
  • 良性のものではMRI上造影効果に乏しいが、悪性のものは肝実質以上の造影効果を有するものが多いとされる。

腹膜偽粘液腫の画像所見

  • 嚢胞性卵巣腫瘍と、不均一な分布を示す腹水により発見される。
  • 両側卵巣に嚢胞性腫瘍を見たら、虫垂チェックする。
  • 腹膜や漿膜、大網に播種性病変を形成する。
  • cystic implamt構造を呈する場合、鑑別疾患としては嚢胞性中皮腫、細菌性腹膜炎が挙げられる。
症例 58 歳の女性。腹部膨満

pseudomyxoma peritonei2006年放射線科診断専門医試験問題51より引用。

肝辺縁に広範に、波状の低吸収の凹凸あり。

腫瘍の着床における圧排陥没でありscallopingといわれる。

腹膜偽粘液腫によく見られる所見。

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