PETの適応

FDG-PETの適応

早期胃癌以外のすべての悪性腫瘍。悪性リンパ腫を含む。

※平成22年に悪性腫瘍の診断について適応拡大。(他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者に使用する。)

心疾患

(a)虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断
(b)心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断

※(a)は他の検査で判断がつかない場合に限る。
※(b)は平成24年4月の診療報酬改定により、適応となった。ただし、PET/CTは適応外。

てんかん

・難治性部分てんかんで外科的切除が必要とされる患者。

保険適応外

・治療効果判定はだめ。(悪性リンパ腫は転移、再発の診断目的とすればよい。)
・原発不明熱はだめ。
・炎症性疾患もだめ。(心サルは認められた。)

13N-アンモニアの適応

・平成24年4月の診療報酬改定により、心筋血流評価に適応。

保険非適応疾患について

・認知症:米国ではアルツハイマー病(AD)と前頭側頭型認知症(FTD)の鑑別が公的保険の適応。日本ではまだ保険適応になっていない。

・炎症性疾患:炎症の部位診断や原因特定が困難な場合にFDG PETは、炎症部位にも集積するため、非常に有用である。しかし、炎症の部位検索目的では保険適応になっていない。

FDG PETの注意点

てんかん

・通常は発作間欠期に行われる。焦点はFDG集積低下部位。発作時には上昇。

・一般的には視覚的診断で十分である。

・発作症状や持続時間、最近の発作頻度、最終の発作の時間などの情報が重要。

心筋バイアビリティ

経口ブドウ糖(50-75g)負荷を行なう。糖尿病患者の場合はレギュラーインスリンの投与を行なう。

・血流分布と対比して判定を行なう。バイアブル心筋とは、血流低下があり、FDGの集積が相対的に維持されている部位である。

心サルコイドーシス

・生理的集積を抑制するために、12時間以上の絶食、低糖質食が有用だが、確立された指針はない。

・左室壁に瀰漫性集積を認めた場合は陰性。限局的な強い集積を認めた場合陽性と読影する。

悪性腫瘍

該当患者について

・病理学的に悪性と診断されている患者であること。

・ただし、病理学的に悪性と確定していなくても、他の検査などから高い蓋然性を持って悪性と診断されている場合。

治療前の病期診断に用いる。

・二段階治療を施行中の患者において、第一段階治療完了後の、第二段階治療方針決定のための病期診断。(例えば、術前化学療法後、または術前科学放射線治療後における術前の病期診断。)

転移および再発を疑う臨床的徴候、検査所見がある場合の診断。

悪性リンパ腫の治療効果判定(平成24年3月)。

検査上の注意について

・4-6時間の絶食をし、血糖値150mg/dl以下が望ましい。

・糖尿病の場合、主治医と相談。直前にインスリンを投与すると筋肉への集積が増大してしまい、腫瘍への集積が落ちる。

・検査直前の運動はしない。

・FDG注射後は、運動はもちろん、会話や咀嚼も避ける。

参考)FDG PET PET/CT診療ガイドライン2010,2012

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