大腸癌の壁外浸潤の有無をCTで読影する手がかりとして、
- 周囲の脂肪織濃度上昇
- 壁の不整
などがありますが、壁外浸潤していたら、即T4a(SE)ではありません。
今回は、大腸癌の壁外浸潤のCT画像診断(T3(SS)かT4a(SE)か)についてまとめました。
ちなみに、
- T3(SS):漿膜下層にとどまる。
- T4a(SE):漿膜表面に露出。
です。
大腸癌の壁外浸潤のCT画像診断
大腸癌の壁外浸潤がT3なのかT4aなのかを判断する際には、その結腸が
- 間膜に固定されている結腸なのか
- 後腹膜に固定されている結腸なのか
でまず分けられます。
間膜に固定されている腸管(盲腸、横行結腸、S状結腸)の場合
同じ壁外浸潤であっても、
- 腸間膜付着部ではT3(SS:漿膜下層にとどまる)
- 腸間膜非付着部ではT4a(SE:漿膜外浸潤)
となります。
しかしCT画像では、腹水貯留がない限り、腸間膜付着部位はわかりません。
そこで腸間膜の付着部位であるヒントとして、血管がある部位=腸間膜付着部位と考えます。
後腹膜に固定されている腸管(上行結腸、下行結腸、直腸)の場合
同じ壁外浸潤であっても、
- 後腹膜付着部ではT3(SS:漿膜下層にとどまる)
- 後腹膜非付着部ではT4a(SE:漿膜外浸潤)
となります。
従って、これらの場合、後方(背側側)へ腫瘍が浸潤している場合は、後腹膜がありますので、T3なのではないかと疑うことが出来ます。(over diagnosisを防ぐことが出来ます。)
最後に
今回まとめた内容で動画を作成しましたので、合わせてご覧ください。
理解が深まると思います。
参考文献:
- 画像診断 2018年5月号(Vol.38 No.6) P563-573
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