精巣捻転(Testicular torsion)
- 好発年齢は新生児期および思春期(思春期>新生児期)。
- 停留精巣や多精巣などが精巣捻転の危険因子となる。
- 鞘膜外捻転(extravaginal torsion)と鞘膜内捻転(intravaginal torsion)に分けられ、前者は新生児に多く、鞘膜ごと鞘膜内容物と一緒に捻転する。一方、後者は思春期に多い。鞘膜内捻転はさらに、精巣捻転と、精巣間膜捻転に分けられる。
- 精巣捻転と精巣垂捻転では、疼痛が症状の主体。腫れてくるのはそのあと。ショック状態になることもある。
- Prehn’s sign(精巣を恥骨結合上部まで挙上)で痛みが軽減→急性精巣上体炎、痛みが軽減しない→精巣捻転を疑う。
- 捻転した精巣が温存できるのは発症してから6-12時間以内の捻転解除が必要。ただし自然に捻転が修復することもある。用手的に解除できない場合は、速やかに手術が必要となる。
- 処置が遅れる(24時間を越えると)と出血性梗塞をきたし、精巣摘出が必要となる。
- なお精巣捻転は繰り返すことがあり、精巣捻転の既往の聴取も重要。
精巣捻転の画像所見
- 超音波検査にて捻転精巣は内部エコーは等〜低エコー、ドプラーで血流を認めない。
- MRIではT2WIで高信号〜低信号とさまざま。造影効果の低下〜欠損を認める。サブトラクション画像も有用。
- 99mTcO4-シンチにおいて、急性陰嚢症は、集積を認めない場合は精巣捻転症を、集積亢進を認めれば、急性精巣上体炎を考える。
急性陰嚢症の鑑別診断
- 精巣捻転
- 精巣垂捻転
- 精巣上体垂捻転
- 精巣上体炎
- 急性精巣炎
- 精巣区域高速
- 外傷性精巣破裂
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