悪性外耳道炎
・高齢者で、糖尿病患者、免疫不全患者に生じやすい。
・緑膿菌、黄色ブドウ球菌、真菌感染による外耳道炎。外耳道の骨・軟骨接合部から生じる。
・症状は外耳道炎が広範囲におよび、耳漏、疼痛。
・外耳道に肉芽形成→側頭骨内に進展すると顔面神経麻痺や骨髄炎を生じ、顎関節痛をきたす。
・劇症型では、顔面神経や脳神経(Ⅸ、X、XI)に異常をきたす事がある。予後不良因子はこの脳神経障害で、多発脳神経障害を合併した場合の死亡率は87%という報告あり。
・治療は、糖尿病のコントロール、抗生物質の全身投与、高圧酸素両方。
・再発率は15-20%。再発までの期間は4ヶ月〜1年。
悪性外耳道炎の画像所見
・外耳道は腫脹し狭小化することあり。
・CTでは、骨髄炎を示唆するような骨破壊像の有無、膿瘍の有無をチェック。
・骨シンチやガリウムシンチで、骨破壊や炎症の範囲を同定する。
耳痛の鑑別診断
- 中耳炎
- 外耳道炎
- 異物
- 外傷
- 悪性外耳道炎
- 乳様突起炎
- 鼓膜穿孔、耳小骨脱臼を伴う中耳炎
- 咽後膿瘍/扁桃周囲膿瘍